アメリカの心理学者によると5人に1人が当てはまるという「HSP」や「HSC」。
「HSP」はHighlySensitivePerson「人一倍、繊細な人」。「HSC」はChild。「人一倍、繊細な子供」のことを指す。
国の調査によると、大分県内の2023年度の不登校の児童と生徒の数は3859人。記録が残っている1999年以降で過去最多となっている。実はこの「HSC」は不登校の要因のひとつとも言われている。このHSCへの理解が広がることで、子供たちがもっと生きやすい社会になるという。HSCはどういった特徴があるのか当事者や専門家に聞いた。
「私、嫌われてるのかな」人の気持ちを深読みしてしまう癖がある
この記事の画像(5枚)「人の目がかなり気になっちゃって。もともとけっこう人の気持ちを深読みしてしまう癖があって、本当はどう思ってるんだろうみたいな感じで」こう話すのはHSCだという17歳の高校生。中学1年生の時に不登校になり中学2年生から大分市のフリースクール「あすらん」に通っている。
「私、嫌われてるのかなとか、かなり強く考えてしまうようになって行けなくなっちゃって…。実際には言われてないけど、嫌いなのかな嫌われてるのかなみたいな、不安になってしまった」自身が不登校になったきっかけについて語ってくれた。
不登校の子供たちの心理カウンセリングなどを行っている大分市の府内大橋こどもクリニックによると、HSCの子供たちの相談が最近増えているという。しかし、医師はHSCは病気では無いと指摘。
「よく言われるのが過敏なお子さんということ。どうしても他人の目が気になるとか、 他人にどう思われているのかが気になるというお子さんが最近多い。そういう困りを抱えている人は 増えていると思うし、気付かれやすくなってきた」と府内大橋こどもクリニックの山口智之院長は話す。
「彼女はすごく成長して」フリースクールに通うようになって変化が
集団行動や人前でしゃべるのが苦手だったという彼女。いまは12月に迫ったイベントの準備に励んでいる。フリースクールに通うようになってからの変化があったという。「すごく楽しい。いろんな人と分け隔てなく話すようにはなった」と話す。
フリースクール「あすらん」の片原由貴子代表理事は、HSCは敏感な気質のため他人に対して優しい面もあると言う。
「敏感で辛いと思うが、それをうまく生かせば自分の強みにもなるし、人のために動くことが出来たりするのはかなり変わってくる」と話す。そして今回取材を受けてくれた17歳の高校生についても「彼女はやはりすごく成長して、人のために何をしたらいいのかを考えられるようになったのは大きな成長」と語った。
フリースクールでは、積極的に年下の子供たちとも交流しているという彼女。
同じような特徴を持つ人へ伝えたいことを聞くと「人の目が気になったりとか不安になっちゃって、 嫌われてないかなとか思うことがあると思うが、別に悪いことではないので全然。むしろそれは本人の優しさではあるので大丈夫だよと、言ってあげたい」と話してくれた。
医師「周囲の理解が大切」
山口医師は、「敏感な気質により生活に支障が出ている場合は、HSCの可能性があると思ってほしい」と話す。
また「HSCの子供は音に敏感な子が多い。例えば学校生活の中では音楽の時間や運動会、給食の時間が苦手ということがある」とも述べた。
その場合は、医師はその子供が苦手としていることについて「そのうち慣れるだろう」などと、無理にさせるのではなく、学校と話をして配慮してもらうことも必要だという。
また、以前に比べHSCに対する認知は広がりつつあるものの、「わがまま」などと捉えられることもあるため周囲の理解が大切だと話しています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。