和歌山県白浜町に最初のパンダが来てから、ことしで30年。
これまで多くのパンダが誕生しては、中国に返還されていたが、あの子たちは今、どうなっているのか。
「パンダの聖地」と呼ばれる中国の巨大施設に潜入した!
■「パンダの聖地」甲子園球場80個分の超巨大施設
この記事の画像(8枚)木登りをしたり、お昼寝をしたり、癒し系動物の代表ともいえるパンダ。
そんなパンダの聖地が中国・四川省にある。
「パンダ繁殖研究基地」。
飼育しているジャイアントパンダは244頭。
広さはなんと、甲子園球場およそ80個分という超巨大施設だ。
中国といえばパンダのふるさと。
11月には、世界各国から専門家らが集まり、飼育や繁殖について議論を交わすなど、パンダを増やすための活動にも熱心に取り組んでいる。
■白浜のビッグダディ「永明」 アドベンチャーワールドのパンダ繁殖の取り組みの歴史
国境を越えたパンダ繁殖の取り組みに、世界で最初に取り組んだのが、実は和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドだった。
その歴史は今から30年前。
はるばる中国からやってきたのは…この名前、覚えている人も多いのではないだろうか。
そう、「永明(えいめい)」だ。
永明は2001年に雄浜(ゆうひん)を誕生させると、その後も次々と子宝に恵まれ、なんと16頭の父親に。
全ての子どもの名前に「浜」がつくことから、ファンの間では「浜家(はまけ)」と呼ばれるようになった。
そんな白浜のビッグダディこと「永明」。
去年、繁殖研究のため中国に返還されることに。
最後の観覧の日には…。
アナウンス:ただいまの待ち時間120分ほどと思われます。
永明を一目見ようと長蛇の列。
訪れた人:(永明は)スーパーお父ちゃんで、たくさんかわいい赤ちゃんパンダを和歌山にもたらしてくれて、スーパースターだったと思います。
そして旅立ちの日。
記者リポート:午前7:26です。永明が獣舎から出てきました。
見送りには200人あまりのスタッフ。園の外にはファンの姿も。
訪れた人:ほんとに行っちゃったんだなって。笑顔で明るく見送りたかったんだけど。
■永明は6頭の子どもたちと巨大施設で暮らしている
多く人から愛され中国に里帰りした永明。
実はいま、この中国の巨大施設で暮らしているという情報が。
さらに、永明の6頭の子供たち「雄浜」「隆浜(りゅうひん)」「幸浜(こうひん)」「愛浜(あいひん)」「桜浜(おうひん)」「桃浜(とうひん)」も暮らしているという。
広大な敷地の中で、浜家のパンダを見つけることはできるのだろうか?
あのパンダも違う、このパンダも違う…。
ようやくたどり着いたのは、浜家の長男「雄浜」の看板。
しかし…
沖本有二記者:雄浜がいるはずなんですが、作業中のようで姿は見えません。
エリア内に見えるのは、掃除をする作業員の姿だけ。
あきらめかけたその時…!
沖本有二記者:いました!雄浜です!元気そうに笹を食べています。
2001年に生まれた長男・雄浜は、2004年に中国に返還された後、5頭のメスパンダとの間に15頭の子どもをもうけていた!さすが、ビッグダディ永明の血筋だ。
■担当者は「雄浜が最も印象的。見た目が華やかで、気立てがいい」
この施設で、浜家のパンダをよく知る担当者に話を聞いた。
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地動物飼育管理部 呉孔菊副部長:戻って来た浜家の中では、雄浜が最も印象的です。理由としてはまず、彼が最初に成都に戻ってきたジャイアントパンダであること。そして、見た目が華やかで耳が大きく、気立てがいいことです。彼は特にみんなに好かれています。
そしてそのお父さん、永明に会いたいのだが!
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地動物飼育管理部 呉孔菊副部長:永明は高齢なので、今は農場エリアに住んでいて、その農場エリアというのは、一般に公開されていないんです。
■永明の暮らしぶりを特別に教えてもらった「今の状態は非常に良好」
なんと今は高齢のため、静かに非公開エリアで暮らしているという永明。
特別に現在の永明の映像をお借りし、どんな暮らしぶりか教えてもらった。
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地動物飼育管理部 呉孔菊副部長:彼の今の状況は非常に良好です。きょうのように天気が良い時は、永明たちを外に出し、ちょっとした運動や日光浴をさせています。
中国でも元気に暮らしている、永明と浜家のパンダたち。
このまま子孫が増えれば、浜家はパンダ界の一大勢力になりそうだ。
(関西テレビ「newsランナー」2024年12月3日放送)
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