福井県内の魅力を再発見する「小旅」のコーナーでは今回、ネコ寺として知られる越前市の「御誕生寺」を紹介します。
       
北陸自動車道・武生ICから車で約10分、木々の葉が色づく山道を上った先にあるのが曹洞宗の禅寺「御誕生寺」です。
   
大本山永平寺と並ぶ中心寺院である總持寺を開山した、瑩山禅師が生まれたのが現在の越前市。この場所に全国から集まった修行僧の「専門僧堂」として2009年に本堂が建立されました。
  
香港からの観光客は「ここはとても落ち着く。紅葉も見ることができてとても良い」と話します。
 
粛然とした雰囲気に包まれる御誕生寺では現在、5人が日々修行に励んでいます。ただ、ここで生活しているのは修行僧だけではありません。
 
境内を見渡すと…あそこにも、こちらにも…ネコの姿が。この寺は「ネコ寺」としても知られているのです。
   
先代の住職が、境内で4匹の子ネコが段ボールに入って捨てられているのを見つけ、世話をするようになったことが始まりだそうで、野良ネコや捨てネコも保護し、多い時で約80匹が暮らしていました。
 
その様子をSNSなどで発信すると、全国から参拝者が訪れるようになりました。
 
そして境内には、全国で唯一、ネコが掘られた石仏も安置されています。 
  
また御誕生寺は、ネコと人の縁を結ぶ寺でもあります。年に数回、譲渡会を開いていて、これまでに約300匹のネコたちが里親の元に引き取られました。現在は20匹のネコたちが暮らしています。
 
午後3時半、食事の時間です。ネコたちが1列に並んでご飯をもぐもぐ。癒やしのひと時です。ここでは、午前8時と午後3時半の1日2回のごはんタイムを参拝者も見ることができます。
 
寺を訪れた人たちは「息子がすごく喜んでいたので来てよかったです」「一度来てみたいなと思っていたので旅行の帰り道に寄りました。癒やされますね」「この辺に観光に来て大仏とネコを見に来た。家でもネコを飼ってるので」などと話していました。
 
気まぐれなネコたちと過ごす癒しの時間。ほっと一息つくのにぴったりな場所です。
  
<御誕生寺>
福井県越前市庄田町32 
※北陸自動車道の武生ICから車で約3キロ

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