静岡県浜松市に、ソフトボール競技歴52年、71歳の現役女性選手がいます。若い選手たちと一緒にプレーするその元気の秘訣を、ソフトボール部出身の小倉彩瑛アナウンサーが取材しました。

浜松市を拠点に活動するソフトボールチーム「浜松フジターズ」。

過去、アマチュアの県大会で優勝し全国大会にも出場した、幅広い世代の選手が集まる県内強豪クラブです。

このチームのムードメーカー・稲垣三枝子さん。

稲垣さん競技歴は実に52年。体力や筋力の衰えはありますが、孫ほど年の離れた選手たちと一緒のメニューをこなし、ソフトボールを楽しんでいます。

そんな稲垣さんにとってソフトボールは欠かせないもの。

中学時代に県大会で優勝した喜びが忘れられず、高校でも強豪校で力を磨き、卒業後は実業団で国内最高峰の日本リーグに挑むと、日本一にも輝きます。

長年、ソフトボール界のトップレベルで活躍し、第一線を退いた後も、今のチームに誘われて、県のアマチュア大会で競技を続けてきました。

浜松フジターズ・選手の皆さん:
レジェンド。一番動くし、一番見習わないといけない存在。一番練習する。一番走って一番行動する人。温厚だけどやる時はやる。スイッチの切り替えがある人。試合前に喝を入れてくれる。「勝つぞ!」みたいな

日本一の経験値は今でも選手たちに影響を与え、そして稲垣さん自身も“戦力”として日々、力を磨いています。

筋力の低下でパワーはありませんが、代わりにミートに徹したバッティング。

芯に当てる感覚が衰えないよう、普段から練習は欠かしません。

実業団時代に俊足好打でならした自慢の走りは今でも強みで、先日の試合では送りバントの際にも一塁まで全力疾走!

アウトになると分かっていても、日頃の成果を発揮しようと、決して手を抜かない姿がありました。

その前向きな姿勢に多くの仲間が集まり、今では仕事場まで。普段、マッサージ師として働く稲垣さんは選手の体のケアにも努めています。

浜松フジターズ・永田里香さん:
デッドボールでのケガや肉離れのケガが多い。マッサージしてもらうと楽になる。(稲垣さんが)一番元気じゃないかな

浜松フジターズ・稲垣三枝子さん:
体は衰えているけど、気持ちだけは元気

稲垣さんの周りには、いつも仲間の笑顔が溢れています。

1つのことに仲間と打ち込み、心から笑いあえることが元気の秘訣と話します。

浜松フジターズ・稲垣三枝子さん:
自分の居場所がある。年齢関係なく仲間に入れてくれるから楽しい。仲間たちが、若い子たちがいるから楽しい。私の一番輝ける場所。目標はとにかく元気で、みんなと一緒にプレーすること。ずっと続けていきたい

58年前にソフトボールを始めてから競技を続け、今なお“青春”真っ只中!体力や筋力は衰えても、心に宿した情熱の火は今も燃え続けています。

その火が消えない限り、稲垣さんは今日も元気に白球を追いかけます。

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