自民、公明、国民民主3党の税制調査会長は12月6日、「年収103万円の壁」の見直しを行う協議で、親が所得税の特定扶養控除という減税措置を受けるうえで、学生アルバイトの年収要件を、現行の103万円から引き上げることで合意した。一方、所得税の課税対象となる「103万円の壁」の引き上げについては、自民党の宮沢税制調査会長は、「かなり距離感がある」と述べ、具体的な議論に至っていない状況を明らかにした。国民民主は来年1月からの実施を求めているが、自民は技術的に困難である考えを伝え、今月9日以降に協議する方針。

国民民主の玉木雄一郎代表は6日、自身のXへの投稿で、与党と国民民主との間で行われた税制改正協議で、与党側から示された年収103万円の壁を178万円に引き上げた際の減収見込み額試算について、「極めて粗い」と批判した。臨時国会で早期成立を目指す2024年度補正予算案について、玉木氏は、「不誠実な対応が続くなら、賛成できない」と政権に対応を迫った。知人女性との不倫疑惑が報じられたことを受け、国民民主は4日、玉木雄一郎代表を役職停止3カ月の処分とした。当面、古川元久代表代行が代表職の業務にあたる。今回の処分について、同党の榛葉幹事長は、「税制改正や予算編成もかかる3カ月間に、代表が役職停止というのは極めて重い判断」と強調した。

自民の派閥裏金事件を受けた政治改革に関して、与野党7党は4日、協議を開いた。自民が政治資金規正法再改正の要綱案を提示したが、「企業・団体献金の禁止」は盛り込まれなかった。石破総理は、「我々の立場は禁止よりも、公開することだと一貫している」と見解を示した。1994年の政治改革で、企業や団体が政治家個人に献金することに代わり、税金を原資とする政党交付金制度が創設された。当時、非自民連立政権の細川護熙総理と自民の河野洋平総裁との間で、政治改革の合意に至った。しかし、企業・団体献金の廃止は、棚上げされた状態となっている。5日に開かれた衆院予算委で、1994年の合意に関する認識を問われた石破総理は、「公的助成が入ったので、企業献金がなくなるという意識を持った者は自民党にいなかった」と答えた。

★ゲスト:佐藤千矢子(毎日新聞論説委員)、牧原出(東京大学先端研教授)
★アンカー:杉田弘毅(ジャーナリスト/元共同通信論説委員長)

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