1月にピークを迎えるというインフルエンザだが、2024年は、すでに多くの患者が報告されている。
例年より早い流行で薬が不足しているところもあるもよう。
発熱外来の予約枠が朝の時点ですべて埋まる
午前10時、クリニックの待合室で診察を待つ多くの患者。
この記事の画像(26枚)こちらのクリニックでは、インフルエンザの患者が爆発的に増えているという。
クリニックの受付:
ちょっとですね、本日検査枠がもう予約がいっぱいなので、今から番号札を取っていただいて、診察自体は、もしかしたらちょっと夕方差しかかってしまう可能性がありますが、大丈夫そうですか?
発熱外来の予約枠は、朝の時点ですべて埋まってしまっていた。
いとう王子神谷内科外科クリニックでは、2週間前まで1人から2人だったインフルエンザの患者数が、現在毎日10人前後に急増、2023年の同じ時期と比べても3倍から4倍に増えているという。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長は「(前シーズンは)1月の終わりに本格的なピークになりました。今もう通常の年のピークレベルに達していると思いますね」と話す。
この患者数の増加が、新たな問題にもつながっている。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長は「急激にお薬の需要が高まって深刻さを増しています。もうですね、錠剤のせき止めなんかはまずないですね」と、薬が欠品していると指摘する。
東京・江東区の有明ファミリー薬局を訪れると、驚きの光景が広がっていた。
多くの薬に「欠品」と書かれてあった。
12月1週のインフル患者数は前週から約1.9倍の34万7000人
青井実キャスター:
年末年始もあるし、クリスマスもあるし、冬休みですから。
スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
このタイミングで風邪も引きたくないし、インフルエンザ絶対になりたくないですね。
青井キャスター:
今急増しているというニュースですからね、心配ですが。
小山内鈴奈キャスター:
国立感染症研究所によると、患者数は12月1週目(12月2日〜8日)の時点で、前の週の約1.9倍に急増していて、全国の患者の数は約34万7000人ということです。
青井キャスター:
相当増えていますね。
宮司愛海キャスター:
数だけ見るとこんなにいるんですね。
青井キャスター:
結構「ワクチン打ちました」という方聞くんですけど、最近インフルエンザの方って聞いてます?
宮司キャスター:
周りはいないですけど、かかると本当につらいですよね。
青井実キャスター:
急増しているということなんですよね。
薬局では「せき止め」などが“欠品”に
小山内キャスター:
そして薬の不足も起きているということです。
先ほど都内にある薬局を取材しました。
取材したのは、東京・江東区にある有明ファミリー薬局です。
こちらの薬局でも先週ごろからインフルエンザの患者が急増しているということで、奥にある薬の棚を見せてもらうと、やはり「欠品」の文字がありました。
インフルエンザで処方する「せき止め」や、風邪の際に処方する抗生物質などが不足しているということで、通常であれば発注すると翌日には納品されるということですが、現在欠品になっている薬のほとんどは、納品に1週間から2週間ほどかかるということです。
そして、こちらの薬局だけでなく、中野区にある「とおやま薬局 中野南台店」でも薬が不足しているといいます。
薬剤師の遠山伊吹さんによると、インフル急増で、先週から「せき止め」、それから「たん切り」の不足が加速しているということです。
普段は1週間分ある在庫が、現在は2日分しかない状況。
そして処方箋の薬がないので、1日5件は医師に薬の変更を依頼しているということでした。
そして薬不足解消のめどもまったく立っていないということです。
ただインフルエンザの薬「タミフル」など、インフルの治療薬はまだ在庫があるということです。
宮司キャスター:
こういう話を聞くと、とにかくかからないようにするのが大事だということですけれども、ワクチン接種された方も、してないという方もいると思いますけど、まだ間に合いそうですか。
小山内キャスター:
はい。厚生労働省によると、日本ではインフルエンザは1月の末から3月上旬に流行のピークを迎えるので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。
青井キャスター:
ーー薬局によっても薬の量まちまちでしたけれども、大変ですよね?
スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
そうなんですね。ケアを提供する側もまだ準備が間に合ってないという事情なんですけど、われわれもたぶん意識がまだ間に合ってないっていうのもあるかなと思いますよ。コロナ禍を思い出すと、もう症状にすごく敏感だったし、マスクとか手洗いの予防策もみんな徹底してましたけど、結構気が緩んできたんですね。今、自覚症状がそんなにない方でも、インフルエンザかもしれないと思って、(医者に)すぐかかって、すぐ確認した方が皆さんのためにもなると、意識改革も必要かもしれません。
青井キャスター:
ちょっと引き締めて、年末年始に向けていきたいですね。
小山内キャスター:
身近なところからしっかり引き締めていきましょう。
(「イット!」12月16日放送より)
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