宮城県内の小中学校で給食の牛乳を飲んだ児童生徒らが体調不良を訴えた問題で、仙台市保健所は7日、当初予定した検査をすべて終えたものの、食中毒の原因菌などは見つからなかったと明らかにした。製造会社側の調査でも原因は特定できず、牛乳再開のめどは立っていない状況だ。
市保健所は今後、新たな情報があれば必要に応じて追加の検査を検討するほか、衛生管理などについて会社側とやりとりを続けるとしている。
牛乳を製造したのは東北森永乳業(仙台市)。4月25日の給食で提供された牛乳で「いつもと味が違う」などの指摘が複数校であった。同社の牛乳は県内12市町で提供され、このうち仙台市や岩沼市、山元町などで体調不良を訴える児童生徒らが相次いだ。
仙台市教育局は、体調不良を訴えていた児童生徒らの人数をこれまでの337人から574人に更新。この結果、朝日新聞の集計では県内で体調不良を訴えた人の数は約1千人に上っている。
仙台市の郡和子市長はこの日、「これだけ多くのお子さんが体調を崩されたことは重く受け止めなければならない」とし、「牛乳を再開するにあたっては、事業者や保健所、教育委員会、県と十分に協議する」と述べた。現時点では再開のめどは立っていないという。
同社の牛乳は県立学校でも提供されており、村井嘉浩知事は7日の定例会見で「子どもや保護者が非常に不安視しているのは事実。今後とも、出荷前にしっかりと検査をするということの厳格化を求めていくべきではないか」と語った。(吉村美耶、中島嘉克)
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