JR東日本の喜勢陽一社長は8日の定例会見で、みどりの窓口の削減方針をいったん凍結し、当面は現状を維持すると発表した。窓口は過去3年間で半減し、残る窓口の混雑が激しくなっているのが理由。廃止済みの窓口の一部を復活させることも検討するという。

 JR東は2021年、チケットレス化を推進するとして、当時管内440駅にあったみどりの窓口を25年までに140駅に減らす計画を発表。今年4月時点で209駅にまで減らした。一方、半分以下になった窓口では、年度末の定期券購入シーズンを中心に大行列となることに利用者から不満の声が上がっていた。

 喜勢社長は混雑の原因について、チケットレス化が想定ほど進んでいないことや、インバウンドの急増で不慣れな利用者が増えたことなどと分析。当面は残る209駅の窓口を維持するとともに、廃止後も発券システムが撤去されていない十数駅については、繁忙期に臨時に復活させることも検討するという。

 喜勢社長は「お客様に多大な迷惑をかけたことを重く受け止めておわびする。(チケット販売サイトの)えきねっとの操作性を向上させるなどして、チケットレス化は引き続き進める」としている。(細沢礼輝)

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