神奈川県の横浜市営バスでは4月だけで2度の“減便”が行われ、バス停には長蛇の列ができていて、その状況に利用客は困り果てていた。一体なぜこのような事態になっているのか。番組が横浜市交通局を直撃した。
平日日中の運行本数 1時間に2本→1本に減
この記事の画像(28枚)8日午後4時前、横浜市のJR保土ヶ谷駅のバスロータリーに大行列ができていた。
リポート:
バス停前には40人ほどでしょうか、後ろは並びすぎて列が折り返しになっています。多くの方がバスに乗り込んでいて、バスの後部座席の方まで満員になってしまっています。
そして住宅街のバス停にも長い行列ができていて、バスを待つ住民たちは、困り果てていた。
バスの利用者は「(バスが)1時間に1本になった」「団地がここにあるのに、ちょっと少ないんじゃないかな」と不満を漏らす。
その理由は、運行本数の減少。横浜市営バスでは4月だけで2度の“減便”が行われたのだ。
8日、横浜市内の各地のバス停にできた大行列では、バスを待つ住民のスマホには、メモ代わりに写メしたという“以前の時刻表”が表示されていた。
横浜市営バスの利用者:
(横浜駅)西口行きの時刻表をけさ撮ってきたんですけど、でも(実際の時刻表を)見たらもっと少ないからびっくりしました。
この乗客が並んでいたのは、横浜市保土ケ谷区の団地から横浜駅へと向かう路線バスだ。
この路線の『新しい時刻表』と『以前のもの』を比べると、平日の日中の運行本数は1時間に2本から1本に減少。
そして午後10時台のバスがなくなり、午後9時半発のバスが最終便となっていた。
横浜市営バスの利用者:
(球場で)ナイター見る時、終バスがない時があるんですよ。
大幅な減便の理由は「2024年問題」
大幅な減便の理由、それは運転手の労働規制が強化された「2024年問題」への対応だ。
横浜市営バスは4月のダイヤ改正で290本の減便を実施することとなったのだ。
さらに4月22日に“追加”で77本の減便を発表した。
ひと月で2度の減便が行われ、運行本数が367本も減るという“異例の事態”となっていた。
横浜市営バスの利用者:
人も混みますし、座れなくなって立ちっぱなしで疲れる。
バスの本数が大幅に減り、待ち時間が増えただけでなく、車内の混雑が酷くなったと利用者からは嘆きが漏れた。
「人材確保大作戦」で“待遇改善策”を実施
横浜市民が困惑する“2度の減便”はなぜ起きたのか。番組は、横浜市交通局を取材した。
ーーなぜ退職した?
横浜市交通局人事課 田中省吾課長:
バスの乗務員はお正月や日曜日もない、365日稼働しますので、転職される方など。またさらに給与のいい職種に転職される方も多い。
2024年に入りこの路線を担当する営業所で職員9人が辞め、運転手不足で運行体制を維持できなくなったという。
そこで交通局は「人材確保大作戦」と銘打ち、給与の底上げや、住宅手当の増額などの“待遇改善策”を実施。
5月から募集をスタートした。すると・・・
横浜市交通局人事課 田中省吾課長:
全国、北は北海道から南は九州まで応募が届いています。
(「イット!」 5月8日放送より)
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