リニア中央新幹線のトンネル工事で出る残土置き場をJR東海が岐阜県御嵩町につくる計画について、同町の渡辺幸伸町長は10日、汚染がない残土のみを条件付きで受け入れる方針を示した。今後、JR東海と具体的な協議に臨む予定だ。
受け入れを認めるのは、汚染がない「健全土」のみで、重金属などを含む「要対策土」は搬入を認めない。また、残土置き場の候補地には、国が選定する重要湿地が含まれ、絶滅危惧Ⅱ類のハナノキなど希少植物が生息していることなどから、「一定程度(希少種の)保全が確保されることが前提」とした。
残土の受け入れをめぐっては、町が地元住民や学識経験者らでつくる審議会を設置。今年2月の町長への答申で、健全土の受け入れについて「やむを得ない」と「原則反対」の両案を併記しつつ、条件付きの受け入れについては「審議会の多数意見」としていた。
渡辺町長は10日に開いた会見で「(受け入れを)全否定した状態ではJR東海との協議に入れない。総合的に判断した」と説明した。
御嵩町の方針を受け、JR東海は「当社との協議方針については、報道により承知している。今後、町からお話をうかがいながら協議を進めていく」としている。(寺西哲生)
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