「News αプラス」の今週の特集は「子育て支援」!

4月に少子化対策関連法案が可決されましたが、「もし堤礼実キャスターに赤ちゃんができたら?」と想定して、出産から子育て、保育園から小・中・高校に入るまでにかかる費用や政府などからの支援を検証しました。

4月19日、衆議院本会議で、 岸田政権肝いりの「子ども・子育て支援金」 などを盛り込んだ 少子化対策関連法案が可決された。 

首相官邸の子育て支援に関する岸田首相からのメッセージ:

岸田政権は、希望する方がこどもを産み育てやすい社会を実現します。 
妊婦の皆さんが安心して出産できる環境づくりを進めます。 

この法案は少子化対策として、児童手当支給の高校生までの延長や所得制限の撤廃などを盛り込み、財源の1つとして、公的医療保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」を創設する。 

支援金について、政府は「国民の実質負担は生じない」と説明しているが、野党からは 「負担が増えることは明らかだ」、「ステルス増税だ」などと反対意見が相次いだ。 

では今、出産から小学校に入るまでいくらくらいかかるのでしょう? 

もし堤キャスターに赤ちゃんができたら?(想定)

αプラスでは、「もし堤キャスターに赤ちゃんができたら?」と想定して、検証してみた。 

都内在住出現在出産のため産休中の堤さん(あくまで想定です)に、もうすぐかわいい赤ちゃんが生まれる予定です。 

堤キャスター:
出産費用っていったいいくらかかるんだろう。誰か教えて!

その疑問に答えるべく、スタッフは調査研究を行っている明治安田生命へ。 

疑問に答えていただくのは、明治安田生命総合研究所 経済調査部エコノミスト・木村彩月(さつき)さん。 

明治安田生命総合研究所 経済調査部エコノミスト・木村彩月さん:
例えば東京都で出産(自然分娩(ぶんべん))をした場合、厚生労働省のデータでは平均で56万円の費用がかかるというふうにいわれています(入院料、分娩料、新生児管理保育料、産科医療保障制度 検査・薬剤料、処置・手数料など)。 

堤キャスター:
えー!そんなにかかるの? 

明治安田生命総合研究所 経済調査部エコノミスト・木村彩月さん:
堤さん待ってください。ただ、出産費用については加入している健康保険から出産育児一時金として、50万円が支給されることになっているんです。

堤キャスター:
じゃぁ、差し引き60000円くらいの自己負担で済むんですね。

明治安田生命総合研究所 経済調査部エコノミスト・木村彩月さん:
そうですね。 それに堤さんのように会社にお勤めで、社会保険に加入されている方については、出産するために休職していた間の手当として、「出産手当金」も受け取ることができます。
また、その間に支払う予定だった健康保険料や年金の支払いについても免除されることになっています。

勤務先で健康保険と雇用保険に加入していると、「出産手当金」のほかに「育児休業給付金」も受け取ることができる。 

例えば月給30万円の人が産前・産後に休職した場合、出産手当金は月に約20万円。 
さらにその後、育休を取った場合、育児休業給付金も月に約20万円を受け取ることができる。 

医療費以外の出産時の出費は?

しかし実際に出産となると、かかる費用は医療費だけではない。 

ベビー用品や妊婦さんの備品購入など、さまざまな出費がかさむ。

明治安田生命総合研究所 経済調査部エコノミスト・木村彩月さん:
そういった出産前の準備や出産後の出費に関しては、国から妊娠時に「出産応援ギフト」が5万円分、出産後に「子育て応援ギフト」が5万円分支給されることになっています。

さらに東京都の場合、この制度に5万円が上乗せされ、合計で15万円の支援になるという。

明治安田生命総合研究所 経済調査部エコノミスト・木村彩月さん:
明治安田生命が、2023年に実施したアンケート調査によれば、0歳から6歳までの子どもがいるご家庭の子育てにかかる費用は月額で4万円かかるという結果が出ています。 子どもが6歳になるまで、336万円の費用がかかるということになります。

特に大きな負担がかかる教育費については、例えばお子さんがすべて公立の学校で大学まで卒業された場合、平均で800万円。
すべて私立の学校だった場合は、平均で2300万円もの費用がかかるといわれています。 

こうした大きな費用がかかることを想定して、学資保険などさまざまな備えをしておくことが大切になると思います。

子育てのサポートは?

無事α子ちゃんを出産した堤さん(想定です)。 
毎日子育てに奮闘中! 

堤キャスター:
やっぱり細かいことにお金もかかるし、子育ての悩みもあるし、誰か助けてくれないかな?

そんな堤さんの要望をかなえるため、スタッフは都庁に向かった。 

「子育てのしやすい東京」を実現するための支援制度があるというのだが…

「はいそれは、『018サポート』ですね」
こう話すのは、東京都 子供政策連携室の田中愛子室長。

東京都 子供政策連携室・田中愛子室長:
「018サポート」は所得制限なく、0歳から18歳の子どもたちに、1人あたり年間6万円を支給するものです。

学びなど、子どもの育ちを切れ目なくサポートすることを目的に、2023年に始まった「018サポート事業」は、月額5000円・年間6万円を申請により受け取れる制度。  

さらに子育ての悩みに、メンタル面でのサポートも。

東京都 子供政策連携室・田中愛子室長:
新しい取り組みとしまして、「ファミリー・アテンダント事業」というのがございます。 
特に子どもが生まれたばかりの0歳児は、子育てに孤立化しやすいといわれております。 
子育て中の悩みですとか、不安を解消しながら、子育てを応援していくという制度になっていまして、ぜひご利用いただきたいと思います。 

保育園、小中学校の費用は?

α子ちゃんもスクスク育ち、まもなく保育園。 

東京都 子供政策連携室・田中愛子室長:
東京都では、3歳から5歳の保育料は全員無料になっております。

堤キャスター:
そうなんですね。でも待機児童の問題がありますよね?

東京都 子供政策連携室・田中愛子室長:
保育園では、少し前まで“保活”という言葉があったように、待機児童がとても多くて、8500人の待機児童がおりましたが、現在では保育園を増やしまして、待機児童の97%を解消しております。 

また、子どもの探究活動を通じ、豊かな心の育ちをサポートすることを目的に、2024年から保育園・幼稚園どちらの園でも共通して受けられる教育として、「すくわく」プログラムを都内すべての園で順次展開していくという。 

ちなみに「すくわく」は、「すくすくわくわく育つ」という意味なんだとか。

こうしてα子ちゃんも無事小学校に。

東京都 子供政策連携室・田中愛子室長:
学校に上がると、小・中・高校とお金がかかってまいります。
まず小学校・中学校の学校給食費の方は、区の負担を東京都が半分負担をするという形で負担の軽減を図っております。
また私立の中学校に行った場合には、年10万円(上限)の(給食費の)補助を、高校は都立の場合は無償化、私立の場合には年48万円(上限)の補助をしておりますので、実質無償化になっております。 
都立大学では、授業料の実質無償化を行っております。

さまざまな支援がある東京だが、不妊に悩む人への支援も積極的に取り組んでいるということで…

東京都 子供政策連携室・田中愛子室長:
卵子凍結への支援としまして、1人あたり上限20万円の支援をしております。 
また凍結した卵子を使った生殖補助医療への支援としまして、1回上限25万円の支援をしております。
不妊治療は、先進医療ですけれども、こちらについても助成をしておりまして、15万円を上限に助成しております。 

手厚い子育て支援が進む一方、こんな報告も… 

民間の有識者などでつくる「人口戦略会議」は、2050年までに、出産を担う20代から30代の女性が半分以上減少すると推定していて、全国の4割にあたる744の自治体で人口が減少し、将来的に消滅する可能性があるとの分析を公表した。 

岸田政権が掲げる子育て支援策は、少子化を食い止められるのだろうか? 

(「News αプラス」5月4日放送より)

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