羽釜で炊いたご飯に卵をかけて、舌鼓を打つ家族連れ=千葉県君津市で2024年4月21日午前10時23分、浅見茂晴撮影

 千葉県君津市で地元産の米を羽釜で炊いて、卵かけご飯を食べる田舎体験イベント「君津の朝めし」が、同市西粟倉の清和地域拠点複合施設「おらがわ」(旧秋元小学校)で始まった。まき割りから火おこしも自前で行う本格的な炊き出しに、ひと味違う朝を味わえる。

 同市役所から直線で南西へ約14キロ、房総半島の真ん中に近い中山間地の清和地区で昨秋、メンバー約20人が集まり、市民団体「君津の朝めし」が結成された。市の「市民が主役のまちづくり事業支援制度」の助成を受けて地域活性化の一助になればと考え、乗り出した。

 同地区は、近くに観光牧場「マザー牧場」があり、南房総観光の玄関口ともいえる。観光地でもない同地区に立ち寄ってもらうためには、「競合しない朝が狙い目。おいしいお米と卵で、おもてなしできる」と同団体の永井直樹代表(58)は考えた。参加者自身がまき割りから、かまどでの火おこし、羽釜でご飯炊き――まですることをセールスポイントにした。

 会場には食材や設備が用意されているので手ぶらでよく、片付けも不要。同団体のメンバーで、地元の羽釜炊き名人がサポートするので、初心者でも安心して火おこしから体験できる。

 枯れたスギと火力の強い竹をまき代わりに使うと、火おこしから約15分で吹き上がる。地元の新鮮な生たまごをかけて「たまごかけご飯」でいただく。オプションで大豆を石臼でひき、きな粉を作る体験もできる。永井代表は「朝めしで腹ごしらえしてもらい、観光へお出かけください」と話す。

 子どもに自然体験をさせたいと東京都から木更津市に移住した斎藤健大さん(35)は4月21日に家族で初挑戦。「少し焦がしましたが、おいしかった。子どもたちも満足で、楽しかった」と笑顔だった。

 予約可能なのは、5月12日▽26日▽6月2日▽9日。今秋にも開催予定。いずれも日曜午前9時半から。各日10席(1席最大6人)限定。事前予約制。詳細はホームページ「君津の朝めし」(https://www.asameshi.club/reservation/)。【浅見茂晴】

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