能登町で12日開かれた説明会では、日本弁護士連合会災害復興支援委員会の副委員長を務める永野海弁護士が、生活再建に向けて国などが整備している支援制度を説明しました。

この中で永野弁護士は、全壊や半壊とされた住宅を修理する際に補助を受けられる「応急修理制度」を使うと、公費解体の制度が利用できなくなるため、どう対応するかは慎重に考えてほしいと話していました。

集まった人たちからは、り災証明書や公費解体についてなど、さまざまな質問が出され、この中で「公費解体をする際、たくさんの家具を運び出していた人がいるが、その必要はあるのか」という問いに対しては「原則として、自分に必要なもの以外は運び出す必要は無い」と答えていました。

国などの支援制度は数が多く条件も細かいことから、永野弁護士は、被災した人が取り残されないよう今後も、石川県内の各地で説明を続けたいとしています。

永野弁護士は「制度の難しい部分を少しでもわかりやすく伝えることで、皆さんが自分にあった支援を受けられるよう、引き続き協力したい」と話していました。

説明会で相談した人は

能登町上長尾で娘と2人で暮らす梶原征一郎さん(82)は、自宅の外壁に隙間ができるなどの被害がありましたが、住宅の被害認定調査では「半壊」や「準半壊」より軽い「一部損壊」の判定を受けました。

今回、参加した説明会で、結果に納得いかない場合は2次調査が可能だと聞き、永野弁護士に具体的な方法を尋ねました。

説明会のあと、自宅を訪ねた永野弁護士は、床が傾いていることや、2階の内部の被害が大きいことから判定が変わる可能性があり、2次調査を受けるべきだとすすめていました。

また、修理や建て替えのために業者が作成する見積書などを保管し、記載された被害の内容を2次調査の際に見せることも重要だとアドバイスしていました。

梶原さんは「できることは無いと思っていたので、相談したことで、今後どうすべきかがわかり、よかったです」と話していました。

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