冷蔵庫で一度冷やすとおいしくなる「大根とほろほろ鶏肉とゆずこしょうの炊飯ジャー煮込み」(画像:『加藤家の食卓』)この記事の画像を見る(3枚)日本人の死因の上位はがんを除けば循環器病が占めている。循環器病とは心臓や血管の病気であるが、加藤茶さんが過去に経験した、狭心症と大動脈解離はまさに循環器病である。妻・綾菜さんの著書『加藤家の食卓』の中でも、医師が「循環器病予防には減塩食を」と説いている。毎日おいしくかんたんに続けられる、綾菜流の減塩レシピを同書より一部引用・再編集して紹介する。

おいしく仕上げるコツは「冷やす」こと

私が減塩料理を作る中で、難しいと感じていたのが「煮物」です。少ない調味料で作ると、なんだか味が決まらない。夫は勝手に醤油を加えてしまうし、私が食べてみてもやっぱり味が薄くておいしくないと感じていました。

しかし、『加藤家の食卓』を出版するにあたり、料理家の田村つぼみさんから教わった調理法が、その悩みを解決してくれたのです。

その調理法というのは「冷蔵庫で冷やす」こと。本で紹介しているレシピの中に、肉じゃが、大根と鶏肉の煮込み、豚汁などがあるのですが、でき上がったらあら熱をとって、冷蔵庫で冷やします。そうすることで、少しの調味料でも味が食材に染み込んで、温め直して食べた時に味が濃く感じられるのです。

もちろん、「万能 氷だし」のうま味がきいているからおいしいということもありますが、冷やすだけでこんなにも塩味を感じられるとは思ってもみませんでした。

私は仕事で外出することも多いのですが、おかずを作り置きをして冷蔵庫に入れて出かけます。このことにも罪悪感がなくなりました。だって、できたてよりもむしろおいしくなるのですから。ちなみに昔は家のことを何もしなかった(というか、何でもやってあげたいタイプの私が、すべてやっていたのですが、それは夫にとってよくないこと、と専門家にアドバイスいただき、自分のことは自分でやってもらうようにしたのです)夫ですが、いまでは自分でレンジでおかずを温めるようになりました。

冷蔵庫で冷やす方法のほかに、追いがけしてうま味を足すという方法も覚えました。以前ご紹介した、綾菜流「万能 氷だし」を作ったときに出る、だしがらを活用して、もうひとつ、卓上調味料が作れます。これがいい仕事をしてくれるんです。作り方も超カンタン。減塩料理をランクアップさせる「めっちゃウマだしがら」があれば、夫の加トちゃんも大満足です。

食事のときに卓上に置いて、減塩でもちょい足しOKの追いがけ調味料としてふりかけることができます。料理のジャンルを問わず、何にでもよく合います。夫は以前と比べると、食事の量が減って、体重減少が気になっていたので、オイル入りの「めっちゃウマだしがら」は、カロリー補給にも役立っています。

「万能 氷だし」の副産物。超カンタンに追いがけ調味料が作れます(画像:『加藤家の食卓』)

冷奴や温かいごはんにかけたり、サラダやスープの薬味に。パスタとも相性が良いのに、和風の鍋にも合うという優れものです。「万能 氷だし」を作ったなら、ぜひ「めっちゃウマだしがら」も作ってみてくださいね。

食材を徹底活用!

「めっちゃウマだしがら」の作り方●材料(小瓶1個分)だしがら…1回分(約30~40g)「万能 氷だし」を作ったあとに残るだしがらを利用します。1回につき、約30~40gがとれます。エキストラバージンオリーブオイル…大さじ1なるべく新鮮なものを使いましょう。ごま油に替えて作るのもおすすめ。太白ではなく、色が濃く香り高い、焙煎ごま油がおすすめです。フライドガーリック…大さじ1みじん切りタイプの市販品を使用。“ドライガーリック”ではないので注意。食塩が入っていないものを選びましょう。粗びきこしょう…小さじ1/4塩…0.2g親指と人差し指の2本で塩をつまむと、だいたい0.2gになるといわれています。●作り方①だしがらは包丁やキッチンばさみを使って細かく刻む。そうすることで味がなじみやすくなる。②ボウルに塩以外の材料を入れ、箸でよくかき混ぜる。オリーブオイルを同量のごま油に変更すると、中華などに合わせやすい味になる。③塩を加えて味をととのえる。より減塩を目指す場合は入れなくてもOK。十分おいしい仕上がりに。※保存方法:煮沸消毒した瓶などに入れて保存。冷蔵庫で4~5日、冷凍庫で2週間保存できます。

それでは、冷蔵庫で一度冷やすとおいしくなるレシピから「大根とほろほろ鶏肉とゆずこしょうの炊飯ジャー煮込み」をご紹介しましょう。仕込めば、炊飯ジャーにおまかせできるかんたん調理なのもおすすめですよ。

「冷蔵庫で冷やす」と少しの調味料でも味が食材に染み込みます(画像:『加藤家の食卓』)

ほったらかし調理でカンタン減塩おかず!

大根とほろほろ鶏肉とゆずこしょうの炊飯ジャー煮込み●材料(4人分)大根…200g鶏もも肉…1枚(250g)片栗粉…小さじ2しいたけ…100gしょうが…2片小ねぎ…1本(お好みで)A氷だし…4個 ※作り方は記事(加藤茶の血圧を下げた「簡単おいしい」減塩料理)参照ゆずこしょう…小さじ1水…1/2カップみりん…大さじ2しょうゆ…小さじ1/2●作り方① 大根は皮つきのまま2㎝の厚さのいちょう切りに。鶏肉はひと口大に切り、片栗粉をまぶす。しいたけは石づきのかたい部分を取り除き、軸は切り離し、かさは4等分に切る。軸も捨てずに使用する。しょうがは千切りに。② 炊飯釜に大根、鶏肉、しいたけ、しょうがの順に重ね、Aを入れて普通炊飯する。③ 炊き上がったらざっくりと混ぜる。そのまま食べるよりも、一度冷蔵庫で冷やしてから温め直して食べると味が染みておいしい。お好みで斜め切りにした小ねぎを添える。

いかがでしたか? 食事は毎日のことで、減塩料理を続けるのは大変だと思っていた私ですが、「万能 氷だし」を使うようになってからというもの、料理が楽しくておいしくて、そして楽ちんでとても助かっています。みなさんの食卓でもぜひ味わってみてくださいね。

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