大津市の佐藤健司市長は15日、市議会招集会議の冒頭あいさつで、4月1日時点の保育所待機児童数が184人となり、昨年の6人より大幅に増加したことを明らかにした。市内の就学前児童数は減少しているが、保護者が在宅勤務をしていたなど新型コロナウイルス禍による利用控えが収束したことが主な要因との見方を示し、「早急に対策を検討する」と述べた。
市保育幼稚園課によると、市の過去10年間の待機児童数(いずれも4月1日時点)は、2014年が69人、18年が58人だったものの、その他は0~6人で推移。15~17年、19年は0人となっており、今年の突出ぶりが際立っている。
増加の背景について、新型コロナの影響が少なくなり、保育園で他の園児と接触して感染することを心配するケースが減ったり、物価上昇に対して家計を助けるために働きに出ようという動きが出てきたりと複合的な要素があると説明している。
今年の入所申込児童数は2521人で、昨年より285人増加。特定の園を希望するために未入所となった場合など、待機児童数にカウントしないケースを含めた保留児童数は516人で、こちらも昨年より225人増加した。
市内の保育所の総定員は9008人で、現在の入所児童総数は約8450人のため、定員上は余裕があるが、保育士不足で児童数に対する保育士の人数を定めた配置基準を満たさなくなるため、これ以上の受け入れが不可能だったという。
保育幼稚園課の若林雄一課長は「待機児童解消のためには、保育士の確保が一番重要。重点を置いて対策を進めたい」と話している。【澤木政輝】
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