神戸市の小学校で2019年に発覚した教員間のいじめについて、対応に当たっていた教育委員会の職員が1年後に自殺した問題。
遺族は市が長時間労働などに適切に対応しなかったとして、損害賠償を求める訴えを起こし、神戸地裁はおよそ1億2000万円の賠償を命じました。
市は関西テレビの取材に対し控訴する意向を示しています。

■「教師いじめ問題」対応に当たっていた職員が自殺

2019年、神戸市の小学校で激辛カレーを無理やり食べさせるなど教師4人が同僚の男性教師に対し、いじめ行為をしていたことが発覚しました。

この問題の対応に当たっていた神戸市教育委員会の30代の男性職員が2020年に自殺しました。

遺族は職員が自殺したのは、長時間労働や精神的な負担でうつ病を発症したことなどが原因だとして、適切に対応しなかった市に対し、損害賠償を求める訴えを起こしていました。

■市に対し「1億2000万円」賠償命じる判決

16日の神戸地方裁判所の判決で「職員は窓口担当として、極めて強い精神的負担を覚えたことは想像に難くない」と指摘。
そのうえで「市は状況を把握しながら、具体的な措置をとるべき義務を怠った」などとして市に対し、およそ1億2000万円の賠償を命じました。

職員の妻は代理人を通じ「市の責任を認めていただき、夫の無念を晴らすことができたと思う。二度とこのようなことが起こらないように、職員の健康管理の徹底を願う」とコメントしています。

■市教委は控訴の方針

関西テレビの取材に対し、神戸市教育委員会は「当方の主張が認められなかったことは誠に残念であり、適切に対応してまいりたい」としていて、控訴する意向を示しました。

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