食べられる食品を無駄にしないため、様々な業種がフードロス対策に乗り出している。

そんな中、日本航空(JAL)と株式会社Beer the Firstは、空港ラウンジで余ったご飯を使用したクラフトビールを開発し、3月1日に発売した。

(出典:Beer the First)
この記事の画像(4枚)

JALは2023年に非航空領域の価値創造を目指したビジネスコンテストを開催。日本各地の廃棄予定だった食材をクラフトビールにアップサイクルするBeer the First社を最優秀賞に選出した。

そして両社は協業で、成田空港JAL国際線ラウンジで余ったご飯(炊飯したものの提供しなかった白米)をアップサイクルし、サステナブルなクラフトビール「Japan Arigato Lager」を開発。

「Japan Arigato Lager」は、その名の通りラガー酵母を使用。軽やかなボディでキレがあり、ホップのフルーティな香りとほのかな大人のフレーバーを併せ持っているという。

(出典:Beer the First)

Beer the First社が運営するUTAGE BREWINGのECサイトでは6本セットで4800円(税込・送料別)。他に羽田空港内JAL PLAZAやJAL MaLL(ECサイト)などでも購入できる。

ところで商品名に「ありがとう」が入っているのはどんな意味があるのか? ご飯を使ったこのビールの味の特徴は? Beer the First社の担当者に聞いてみた。

麦芽比率で約20%のご飯を使用

――そもそも、はじめから余ったご飯でビールを作る想定だった?

弊社株式会社Beer the Firstでは、炭水化物を中心にアップサイクルを行っているため、ラウンジや、空港売店、機内食から余剰食品がでると想定していました。


――「Japan Arigato Lager」は、どのぐらいの割合でご飯が使われているの?

麦芽比率で約20%のお米を使っています。


――開発にあたってどんなことに苦労した?こだわりは?

副原料(余剰米)の供給量調査や、調達、保管など、空港と何度も確認をしながら調整を行い、販売日予定に合わせ商品化(デザイン・醸造)を行ったことです

また、機内、ラウンジで培ったノウハウを活かし、高品質で特別感を感じていただける、「安全・安心」で「美味しく」て「勧めたくなる」商品をお届けするシリーズ「JAL SELECTION」の認証をいただいております。


――「Japan Arigato Lager」の味わいをもう少し詳しくいうと?

「Japan Arigato Lager」は、Cold IPAというラガー酵母を使用したビアスタイルで作りました。

Cold IPAは日本で広く普及しているラガービールとは違った特徴があるので、クラフトビールファンではない方にも楽しんでもらえると思い、今回はラガーのビアスタイルで挑戦しました。

Cold IPAの特徴として、ホップをふんだんに使用してホップ由来の華やかな香りを残しつつ、ラガー酵母を使用することですっきりと飲みやすくしたビアスタイルです。

また、お米を使用してライトなボディにすることで、ホップの香りをより一層際立てた香りと飲みやすさを両立させたビールに仕上がりました。

日々の「ありがとう」に添えて楽しんで

――「Japan Arigato Lager」という名前には、どんな意味が込められている?

商品名にもある「ありがとう」は、我々日本人が日常生活で頻繁に使う言葉ですが、人と人とのつながりや食への感謝、心からの感謝の気持ちが込められています。この商品がお客様の大切な人への贈り物となった場合、その感謝の気持ちを伝えるきっかけとなることを願っています。

ギフトやご自宅用など、日々の「ありがとう」に添えて、ぜひ本商品をお楽しみいただければ幸いです。


――どれくらいの期間で販売を予定しているの?

3月1日から約9000本を販売予定です。今回の売れ行きをもとに増産を判断する予定です。


――おすすめの楽しみ方は?

幅広い年齢の方に、「日常的」かつ「ありがとうを感じるシーン」で乾杯頂けたらと思っています。キレがあり、華やかなホップの香りが特徴的なため、揚げ物やしっかりと味付けがされた食事に合います。

(出典:Beer the First)

フードロスを減らすための取り組みは、一人ひとりの意識と行動が大切だ。「Japan Arigato Lager」は、これまでフードロス対策に関心がなかった人も気軽に楽しみながらできそうだ。このような持続可能な取り組みが広がり、多くの人々に支持されることを期待したい。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。