鹿児島・奄美大島の海でサンゴの一斉産卵が始まり、海中に神秘的な光景が広がりました。

海中を漂う無数のピンク色の粒。21日夜、鹿児島県龍郷町の倉崎海岸沖の水深2.5メートル付近で撮影された映像です。

ピンク色の粒の正体は、サンゴの精子と卵が入った「バンドル」。

ハナガサミドリイシとキクハナガサミドリイシ、2種類のサンゴが約30分間にわたり、直径0.5ミリほどの「バンドル」を次々と放出していました。

バンドルは海面ではじけ、飛び出した精子と卵がほかのバンドルの精子や卵と受精すると、幼生となって数日から数週間浮遊するということです。

奄美大島では1998年から2008年にかけて、大規模な白化やオニヒトデの大量発生で多くのサンゴが死んでしまいました。

しかし今回、サンゴの産卵を撮影した奄美海洋生物研究会の興克樹会長は「全体的にサンゴは回復傾向にある。回復が遅れている海域にも、今後、多くのサンゴの幼生が定着することを期待したい」と話していました。

奄美大島のサンゴの産卵は8月ごろまで続くということです。

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