日本を代表する国宝の仏像や美術の名品が来春、奈良と京都の両国立博物館に集結する。両館が24日、同一会期で特別展を開くと発表した。100件以上の国宝が並ぶ予定で、大阪・関西万博の開幕にあわせ、世界に日本の美をアピールする。いずれも朝日新聞社などが主催する。

 奈良博は「超 国宝―祈りのかがやき―」展。開館130年記念として初めて開く国宝展で、中宮寺の「菩薩半跏(ぼさつはんか)像」や法隆寺の「観音菩薩立像」(百済(くだら)観音)など、仏教文化が花開いた奈良の地や、同館に関わりの深い社寺の名宝が一堂に会する。菩薩半跏像は右足を左ひざの上にのせ、右手の指先をほおに軽く添えてほほえんでおり、柔和さと威厳を兼ね備える。百済観音はクスノキの一木造りで、ほっそりして伸びやかな姿が特徴。いずれも飛鳥時代の仏教彫刻を代表する傑作と評価される。

 京博は「日本、美のるつぼ―異文化交流の軌跡―」展。国宝の俵屋宗達「風神雷神図屏風(びょうぶ)」や葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏(なみうら)」など海外でも知られた傑作を中心に、古代から明治期までの絵画や彫刻、工芸品で異文化交流の軌跡をたどる。

 東京国立博物館(東京都台東区)で開いた記者会見で、奈良博の井上洋一館長は「えりすぐった国宝を集めた。総力を挙げて取り組む」と話した。両展の会期は来年4月19日~6月15日。(西田健作)

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