静岡県知事選で初当選を決めた前浜松市長の鈴木康友氏(66)が27日、同市内で記者団の取材に応じた。川勝平太前知事が着工を認めなかったリニア中央新幹線静岡工区について、関係者間の議論の進め方が「外から見ていてばらばらだった」と指摘。改めて「推進」の立場だとした上で、県と国、県内自治体、JR東海の4者がしっかりと連携する必要性を語った。
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知事選のさなかには、岐阜県内でリニア工事による井戸水などの水位低下が確認され、JR東海からの報告の遅れも指摘された。鈴木氏は大井川の水資源を守り、南アルプスの環境を保全するといった課題の解決にあたっては「信頼がないと前に進めない。悪い情報ほど早く連絡するのが鉄則だ。見直していただきたい」と述べた。
鈴木氏は立憲民主、国民民主両党の推薦を受け、自民党が推薦した元副知事の大村慎一氏(60)を破って初当選した。選挙戦は与野党対決の構図だったが、「意外と(国政の影響が)反映されなかったのではないか」とし、「地域性が色濃く出た」と話した。
前浜松市長として県西部で支持が厚かったのに対し、静岡市出身の大村氏は県中部の政財界の支援を得ていたからだ。知事として、選挙中に繰り返した「オール静岡」の実現に取り組むという。
当選を決めた26日は静岡市で深夜まで報道各社の取材を受けるなどして、27日の午前3時ごろに浜松市に戻った。朝食は「もらいものの冷凍パックのうなぎを使った、小さなうな丼」。まずは浜松市長時代から支援を受けてきた自動車大手スズキの鈴木修相談役ら地元の財界人を訪ね、当選を報告したという。(青田秀樹)
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