6月20日告示の東京都知事選挙を巡り、出馬の意向を固めている小池百合子知事は、29日の都議会本会議で所信表明に臨んだ。だが、この日は都知事選への出馬表明はなかった。

◆コロナ対応、五輪…小池都政8年の実績をアピール

 午後1時10分ごろ、水色の千鳥格子柄のジャケットを身にまとった小池知事が壇上に上がった。

記者団の取材に応じる小池百合子都知事

 「都知事に就任し、初めてとなる所信表明の場で、私はこう申し述べました。『今の都民のために、そしてまだ見ぬ100年後の都民のために働かなくてはいけない』。この決意は一瞬たりとも揺らいだことはありません」 2016年の就任時の自身の発言を引用しながら、新型コロナ禍への対応や東京五輪・パラリンピック開催など、8年の実績を振り返った。その上で「スタートアップの支援拠点開設」「水素エネルギーの利活用促進」など、東京の未来に向けた施策を次々と列挙した。  費用や効果を巡り議論を呼んでいる都庁舎のプロジェクションマッピングについては「国内外から20万人を超える方に楽しんでいただいている。何もないところが、開始からわずか3カ月で観光スポットになっている」と観光振興施策としての効果を強調。「今後も地元の団体や民間事業者とも連携しながら、新たな夜の名所を生み出していきます」と述べた。

◆前日には区市町村長有志らから出馬要請

 25分間に及ぶ表明の最後は「『都民ファースト』で推し進める東京大改革の先にこそ、明るい未来は拓(ひら)かれる、私はそう確信しています」と締めくくった。  前日の28日には、区市町村長の有志や都議会会派から出馬要請を受け、神妙な表情で「重く受け止める」と応じていた小池知事。都政関係者の間では一時、29日に3選出馬を表明するとの見方もあったが、この日は意向を示すことはなかった。  散会後の午後1時50分ごろ、報道陣に囲まれた小池知事は、出馬表明の時期について尋ねられると、「この定例会にしっかりと取り組んでいくというのが、現職の務め」といつもの発言を繰り返しつつも、「『継続してこそ力なり』とある」とも述べ、3期目への意欲をにじませた。


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