自民党は29日、衆院政治改革特別委員会の理事懇談会で政治資金規正法改正に向けた修正案の概要を示した。野党の主張を一部受け入れ、規正法違反で所属議員が起訴された政党を対象に政党交付金を一部停止する制度を設けることなどを盛り込んだ。
公明党は「一貫して主張してきた内容が一部反映されていない」として修正案を持ち帰った。山口那津男代表ら党幹部が30日に対応を協議する。立憲民主党や日本維新の会など野党4党は内容が不十分だと反発した。
自民党の茂木敏充幹事長と公明党の石井啓一幹事長は国会内で会談し、6月23日に会期末を迎える今国会で規正法を改正することについては確認した。
自民党は30日に開く理事懇で再修正案の提示を検討する。
29日の修正案では政党から政治家個人に支出する政策活動費に関して議員が支出した時期を月単位で公開して透明性を高めると明記した。施行から3年後をめどに規正法を見直す条項も盛った。
外国人によるパーティー券購入の規制や、個人献金を促進するための税制優遇を検討する方針を記した。議員本人が代表を務める選挙区支部に寄付する場合、税制優遇の対象外とする案も挙げた。
パーティー券購入者の公開基準は現状の「20万円超」から「10万円超」に引き下げる立場を堅持した。公明党は「5万円超」を求めている。野党が訴えた企業・団体献金の禁止は含めなかった。
立民など野党4党は①企業・団体献金の禁止②政策活動費の廃止または領収書の全面公開③議員が会計責任者と同じ責任をとることの明確化――を要求する。岸田文雄首相が特別委に出席し、自ら説明することも求めた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。