自民党は30日の衆院政治改革特別委員会の理事懇談会で、派閥裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の再修正案の提示を見送った。公明党が態度を硬化させたためで、改正案の週内の衆院通過を断念した。31日に再修正案を各党に示し、改めて公明などの理解を求める方針。今国会中の成立に向け、6月4日にも衆院を通過させたい考えだ。
公明の山口那津男代表は30日午前の党会合で、自民が29日に示した修正案に賛同できないと表明。自民が難色を示してきた政治資金パーティー券購入者の公開基準額「5万円超」への引き下げと、政策活動費の使途明細書添付を挙げ、「もう一段、自民党の英断を促す」と受け入れを強く求めた。
公明は自民案に賛成する方向で検討してきたが、支持層の反発を懸念してハードルを上げたとみられる。自民がどう歩み寄るかが焦点だ。
特別委は30日の午前と午後に理事懇を計2回開いたが、自民は公明の硬化を受けて再修正案を示さなかった。自民理事の大野敬太郎氏は記者団に「努力したが党内調整がつかなかった」と釈明した。
立憲民主党や日本維新の会は共通の主張として(1)企業・団体献金の禁止(2)政策活動費の廃止―などを求めている。理事懇で自民は企業・団体献金に関し、「禁止はできないが、真摯(しんし)に何か対応できるか考えたい」と伝えた。
自民党本部=東京都千代田区
衆院政治改革特別委員会の理事懇談会に臨む与野党の理事。中央奥は石田真敏委員長=30日午前、国会内
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