◆パーティー券公開基準、公明に配慮して「引き下げ」
岸田文雄首相(自民総裁)は31日、公明の山口那津男代表、維新の馬場伸幸代表と相次いで会談し、協力を要請。自民はこの後、両党の主張を一部取り入れた再修正案を、衆院政治改革特別委員会の理事懇談会に提示した。公明と維新は自民案に賛成する方針で、早ければ4日にも衆院を通過し、今国会での成立が確実となった。左から公明の山口那津男代表、岸田文雄首相、維新の馬場伸幸代表
「大きな決断をしてもらった」。首相との会談を終えた公明の山口氏は満足げな表情を浮かべた。 自公間に隔たりがあった政治資金パーティー券購入者の公開基準は、首相が公明に歩み寄り、自民案の「10万円超」から「5万円超」に引き下げた。自民内ではパーティー券収入が減る懸念から反対も根強かったが、公明の想定外の反発に遭い、土壇場での決断に追い込まれた。◆維新は強調「100%わが党の考えが通った」
一定の透明性向上につながるが、「パーティーの開催禁止」などを求めた野党は冷ややかだ。立民の泉健太代表は31日の会見で、「細かい点で改革の雰囲気を出そうとしているが、本論からのすり替えだ」と指摘した。 首相は馬場氏との会談で「政策活動費の領収書の10年後公開」など維新の主張をのむ合意書にサインまでして、賛成を取り付けた。馬場氏は「100%わが党の考えが通った」と記者団に強調した。 だが実際の再修正案は、領収書の公開について付則に「具体的内容は早期に検討して結論を得る」と記載しただけ。いつ実現するかも不明だ。自民が取り込んだ維新の要求は一部に過ぎず、二階俊博元幹事長が5年間で計約50億円を自民から受け取っていたことで問題視された政策活動費の「ブラックボックス」は続くことになる。 共産党の山添拓政策委員長は再修正案について、「あるべき改革とは懸け離れたもの」と批判。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「細部を詰めずに維新はなぜ合意したのか」と首をかしげた。 一方、党首会談でリーダーシップを演出した首相は31日夜、記者団に「規正法改正を今国会で果たさなければ、政治の信頼回復はできない。踏み込んだ案を提示した」と胸を張ってみせた。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。