宮崎県川南町で12日に開かれた町議会6月定例会本会議で、児玉助寿(すけひさ)町議(77)=当選6回=が、食道がんの療養のため公務を欠席している東高士町長について触れ、「早く死んでもらいたい」などと発言した。発言は直後に議長権限で取り消され、その後、児玉町議は謝罪し、撤回した。

 議会事務局によると、12日午前中の本会議の一般質問で、児玉町議の直前に質問した町議が、民生委員について取り上げ、「高齢者を無償で働かせるのはいかがなものか」という趣旨の質問をした。その発言を受けて次に登壇した児玉町議は、町長が有給で休んでいることに触れ、「民生委員の処遇を見ると、(町長に)早く死んでもらいたいなと祈りたい気持ちだ」などと発言したという。

 発言直後、その場で河野浩一議長が発言を訂正する意思がないかと確認したが、児玉町議は発言の撤回を拒んだため、最終的に議長権限で取り消した。その後、児玉町議は昼休みに同僚議員らに説得され、午後の本議会の冒頭に、「不適切な発言をしました。申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 東町長は今年2月に食道がんを公表して入院。5月下旬に午前限定で町役場に顔を出すようになったが、6月4日から再び休み、今議会も出席していない。一部町議から職務代理者を置くよう求める声が上がっているが、東町長は「自宅療養中でも電話で指示は出せる」として公務をつづけている。

 児玉町議は「本会議で発言したとおり、不適な発言だった。おわび申しあげる」と話している。(石川雅彦)

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