厚生労働省は18日、医療・介護保険料の算定に金融所得を反映する案を巡り、少額投資非課税制度(NISA)の収益を対象外とする方針を明らかにした。政府は貯蓄から投資への動きを後押ししており、逆行との批判を招かないようにする。

自民党の会合でこうした案を提示した。自営業者らが入る国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度、介護保険は所得に応じて保険料が決まる。現状は株式の配当や売却収入といった金融所得は確定申告をしなければ保険料に反映されない。確定申告している人と比べて不公平との指摘の声が上がる。

政府は2023年12月に閣議決定した社会保障の改革工程で、28年度までに是正策を検討すると明記している。

会社員らが入る健康保険は現在、確定申告の有無にかかわらず、賃金のみで保険料を決めている。厚労省は18日、健康保険の保険料に金融所得を反映することに慎重な姿勢を示した。事業主が金融所得を把握しにくいことなどから「制度の趣旨、実務等の観点から課題が大きい」と文書に明記した。

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