日本維新の会は18日、政治資金規正法改正案の参院政治改革特別委員会の採決で、一転して反対に回った。維新が掲げる「調査研究広報滞在費(旧文通費)」の今国会中の法改正が困難になったためだ。岸田文雄首相に対する問責決議案を提出し、政権への反発を強めているが、これまでの執行部の対応を疑問視する声も出ている。
維新の馬場伸幸代表は5月31日、岸田文雄首相(自民党総裁)と会談し、旧文通費の使途公開など改革を進めることで合意。文書に期日は書かれていなかったが、維新は改正案の衆院採決で賛成した。
ところが、改正案の衆院通過後、自民側から「今国会中は難しい」との声が上がり、維新はこれに反発。17日の衆院決算行政監視委員会でも、首相が今国会中の法改正に言及しなかったため、18日の参院特別委での採決で反対に転じた。馬場氏は「日にちが書いていないから今国会中にやらなくていいという理屈は、全く通用しない」と主張した。
さらに維新は同日、首相に対する問責決議案を参院に提出。決議案では、裏金事件の実態解明が進んでいないことや企業・団体献金の改革が手つかずになっていたことなどを理由に挙げ、「改正案は穴だらけで改革に値するものではない」と訴えた。
一方、こうした改正案に衆院段階で賛成したことに、経緯の検証を求める声が維新内からも上がった。共同代表の吉村洋文・大阪府知事はこの日、「(党首会談での)合意に至る経緯を含めて維新の中で説明し、総括をする必要がある」と指摘した。
また、国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で、「合意を結んだ相手に問責決議案を出すのは、結んだ自分にも責がある。問責の矢は維新の執行部にも向くべきではないか」と話した。(小林圭)
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