東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に立候補する現職の小池百合子氏(71)は19日、多数の樹木伐採に対して批判がある明治神宮外苑地区の再開発について「(選挙戦の)争点にならない」との認識を示した。同日午後に日本記者クラブ(東京都千代田区)であった、立候補予定者4人による共同記者会見で述べた。

 参加者は、小池氏のほかに、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、参院議員の蓮舫氏(56)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)。

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 蓮舫氏は、この再開発事業について「いったん立ち止まる。都知事選の争点にしている」と主張。都による環境影響評価や、開発が可能となった都制度の適用過程について「厳格に検証する」と訴えた。

 これに対し、小池氏は「争点にならない。なぜなら今立ち止まっているから」と説明。事業主体である民間事業者に樹木保全策の提出を求めているとした。「イチョウ並木が切られるとのイメージがあるが、そうではない。むしろ樹木の本数は増える」とも述べた。

 樹木保全策をめぐっては、蓮舫氏が「年末か今年頭には(事業者から都に)来る予定だったのに、まだ来ていない。再要請していないのはなぜか」と小池氏に投げかける場面も。小池氏の発言を受けて「争点にしないなら、今日この後、都知事名で(事業者に)再要請をいただけると」とも述べた。

 石丸氏は「基本的な認識は小池氏のおっしゃった通り」とした上で、米ニューヨークでの勤務経験から「都会の中の自然の重要性を感じた。街づくりの発想として、人と自然の調和は重視していくべき」と述べた。

 田母神氏は「外苑は神聖な場所だと思うので、神聖なものはできるだけ残して、元のかたちを守っていった方がいい」と述べた。小池氏は「外苑は人工林。外苑でスポーツなどを楽しんでいただくことで、明治神宮の内苑そのものを守っていく」と主張した。

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