東京都知事選(7月7日投開票)は22日、告示後、初めての土曜日を迎えた。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が駆け回ったのは、東京スカイツリー、浅草、上野といった観光名所が集まる下町エリア。観光客でごった返す中、「政治を楽しめるチャンスが来ている」と声を上げた。

写真撮影に応じる石丸伸二氏=6月22日午後1時13分、東京都台東区浅草で(鈴木里奈撮影)

正午過ぎ、浅草寺の雷門近くでマイクを握り、元銀行員の経験から経済の大切さに触れ「成長戦略の要は教育への投資」と強調。安芸高田市長時代に教員の負担を減らした実績をアピールし「予算を捻出し教育分野に還元します」と訴えた。 動画投稿サイト「ユーチューブ」を中心にSNS(交流サイト)上で知名度が高い石丸氏は、1日10カ所以上を目標に、顔見せのため23区をくまなく回る。陣営でのライブ配信の他、有権者にSNSで拡散してもらう作戦で、新仲見世商店街を練り歩き、握手やハイタッチ、写真撮影に応じた。

選挙カーの上から、大勢の聴衆に語りかける石丸伸二氏=6月22日午後2時52分、上野駅前で(鈴木里奈撮影)

雷門周辺では、聴衆と観光客で混み合う歩道を見て「自分がオーバーツーリズムに拍車をかけることになるとは、よもやよもやだ」と、人気アニメ「鬼滅の刃」のせりふを引用してつぶやき、笑いを誘った。 演説後、記者が対策を問うと、「プライシング。宿泊税などで、いただけるものは全部いただく」と語った。 上野駅の公園口前では、聴衆がごった返した。ボランティアの北区の男性会社員(24)は「言うべきことを言う姿勢に共感。税金を投資的に使ってほしい」と望んだ。(鈴木里奈) 

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