東京都知事選(7月7日投開票)の告示から3日目となった22日、3選を目指す現職の小池百合子氏(71)は、羽田空港から飛行機で1時間の八丈島で、選挙戦初となる街頭演説に立った。 島特産の絹織物「黄八丈(きはちじょう)」のスカーフをまとった小池氏は、「東京にはビルの森だけではない。素晴らしい自然がある。世界からインバウンド(訪日客)のお客さまが楽しんでいただけるようにしたい」と島しょ振興に力を入れる姿をアピールした。

海を背に初の街頭演説に臨んだ小池百合子氏=6月22日午後4時20分、東京・八丈島で(渡辺真由子撮影)

会場となった港の駐車場には、約300人の島民らが訪れた。小池氏は2016年に初当選した知事選でも告示翌日に八丈島で演説した。海を背にマイクを握り、「選挙では、早々に八丈島に伺うようにしている」と強調した。 観光振興や島の伝統文化の継承、遠隔医療の推進など、島しょ部に関わる実績を訴え、「島には島の課題がある。島には島の解決策がある。島の魅力を掴みながら、もっと良くしていきたい」と3期目への意気込みを語った。

◆牛にアシタバ与え「公選法違反になるのかな」

街頭演説前には、島内で八丈島乳業が運営する「ゆーゆー牧場」を視察し、牧場では4歳の乳牛「ユリコ」がお出迎え。ユリコは人に優しい穏やかな性格だそう。歌川真哉社長から離島酪農の現状や、社員の大半が移住者であることなどの説明を受け、島特産のアシタバを餌としてユリコに与えた。「アシタバあげるのも公選法違反になるのかな」と冗談を飛ばし、「あなたが八丈を背負っていくんだよ」とユリコに語りかけた。

乳牛「ユリコ」に明日葉を与える小池氏=6月22日午後2時3分、東京・八丈島で(渡辺真由子撮影)

小池氏は平日は公務を中心とし、選挙活動は控えめ。代わりに、X(旧ツイッター)では、小池氏の顔や声を人工知能(AI)に学習させた「AIゆりこ」を使って2期8年の実績などを伝えている。 主要駅前などでのビラ配りは、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の都議らが担う。陣営関係者は「仕事をしている姿を見てもらえば、訴えは伝わると思う」と話した。(渡辺真由子) 

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