上川陽子外相は28日の記者会見で、自民党内で反対の声が根強い選択的夫婦別姓制度の導入について「広く国民全体に影響を与える。しっかり議論し、幅広い国民の理解を得る必要がある」と述べた。賛否を問われたが、明言しなかった。

  • 舌鋒鋭く「独りよがり!」 ポスト岸田浮上の上川外相、地元で別の顔

 上川氏は「現在でも国民の間には様々な議論があると承知している」と強調。国連の女性差別撤廃委員会が日本政府に対し、民法が定める夫婦同姓の改正を勧告してきたことを踏まえ、「外相の立場で申し上げれば、引き続き国内の関係省庁とよく連携し、対応したい」とも語った。

 上川氏は2007~08年に少子化・男女共同参画担当相を務め、当時は自身のホームページに「私は選択的夫婦別姓については賛成で、そのために議員として活動してきた」「それぞれの時代にふさわしい形で、法律を見直していかなければならない」とのコメントを記載していた。

 ただ、法相に就いた後の21年の会見では「国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら引き続き検討を進めたい」と述べるにとどめた。同年の朝日新聞と東京大学谷口将紀研究室との共同調査でも、選択的夫婦別姓の導入について「どちらとも言えない」と回答した。(松山紫乃)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。