米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、防衛省沖縄防衛局が、辺野古北側の大浦湾で杭打ち試験の準備作業を始めている。大浦湾では4日、作業船に搭載されたクレーンで鋼管杭を海中に下ろす作業が行われていた。

 木原稔防衛相は2日の記者会見で、この作業について「工事を安全かつ円滑に実施するため、鋼管杭打設の手順などを確認する試験にかかる作業」と説明。試験で打ち込んだ杭は、試験終了後に撤去すると述べた。

 沖縄県は、環境保全対策などを話し合う国と県との協議が継続中だとして、3日付で作業中止を求める行政指導を沖縄防衛局に行った。だが、国は、この作業は2013年に県と工事前に協議を行うと取り決めた「留意事項」の対象外との立場で、指導には従わないとみられる。

 国は昨年末、大浦湾の軟弱地盤の地盤改良工事に必要な設計変更を県に代わって承認する「代執行」を行い、今年1月から海上ヤード(資材置き場)を造る工事を行っていた。8月1日以降、大浦湾での本格工事を始めるとしている。(棚橋咲月)

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