自民党の茂木敏充幹事長は5日、京都市内でスタートアップのイベントに参加した。資金調達を支援するため金融機関に対し、非上場株式を組み込んだ投資信託の組成を促した。新しい少額投資非課税制度(NISA)を利用して販売し、個人マネーの取り込みを訴えた。
茂木氏は国内最大級のスタートアップイベント「IVS(アイブイエス)」のパネルディスカッションに登壇した。スタートアップに関し「日本経済のカギを握る」と強調した。資金調達などを課題に挙げて「政策でしっかり支援する」と明言した。
資金調達を支援するため非上場株や上場から3年以内の企業の株式を組み入れた投資信託が必要だと訴えた。新NISAの効果で個人マネーが投資に向かっていると指摘。新しい投信ができればスタートアップが5兆円規模の資金を調達できると主張した。
運用業界の自主規制団体である投資信託協会は2月、誰でも買える公募投資信託に上限付きで非上場株を組み込めるように自主ルールを改定した。茂木氏は改定後に新しい投信を設定する動きが乏しいとしてスタートアップの推進に弾みがついていないとみる。
茂木氏は規制緩和に取り組む立場も力説した。スタートアップを促進するには「新しいビジネスや働き方を事前規制しないことが一番大切だ」と語った。現時点でライドシェアの全面解禁を認めない政府の方針について「岩盤規制の象徴だ」と批判した。
茂木氏は9月の党総裁選をにらみ、政策提言を増やす。6月末のフジテレビの番組で経済や安全保障の政策を巡り「言うべきことを言うべきタイミングでちゅうちょなく言っていきたい」と述べた。
同番組で「首相になってやりたい仕事があるのは間違いない」と話した。出馬に関して「夏の間によく考えたい」と発言していた。
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