広島県安芸高田市長選で初当選した藤本悦志市長(51)が8日、初登庁した。職員への訓示や幹部会議、就任会見などをこなし、4年の任期のスタートを切った。

 訓示では、「相手の気持ちを尊重し丁寧に接することを、対話の基本に置いてもらいたい」と述べた。

 藤本市長は選挙戦で、石丸伸二前市長(41)の政治手法を「市民の中に意識の分断を生んだ」として批判し、「対話からの前進」を掲げていた。

 前市長が確執を深めた市議会への就任あいさつでは「幹部会議では、市議会との4年間の反省の上に立ち、関係を改善する話をした。関係を保ちながら、市民の負託に応えたい」と話した。

 就任会見では、前市長が基本構想策定費を専決処分した認定こども園の計画について、手続きを「いったん止めさせてもらいたい」と話し、方針を変える考えを改めて示した。

 前市長が予算執行を止めた市議会の広報誌「議会だより」についても「執行停止を解除したい」と話した。通常各世帯に配布される議会だよりは現在、ウェブ版のみ公開されている。

 前市長と市議会の応酬や記者会見の動画を編集した「切り抜き動画」がネット上で拡散している問題については「事実と違うものについてはそれなりの対応をする」と述べ、削除要請を検討するという。(柳川迅)

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