会談は日本時間の13日午前0時半ごろからおよそ40分間行われ、両首脳は、ウクライナ侵攻を続けるロシアが中国や北朝鮮と関係を強めていることを踏まえ、欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分だとの認識を共有しました。
その上で自衛隊とドイツ軍の間で食料や燃料などを相互に提供できるようにするACSA(アクサ)=「物品役務相互提供協定」が12日に発効したことを踏まえ、防衛協力を推進していくことで一致しました。
また中国による輸出入の規制などで貿易相手国に圧力をかける経済的威圧も念頭に、重要鉱物の供給網の構築や半導体技術の開発・生産など、経済安全保障分野での新たな協議の枠組みを設置することで合意しました。
このほか去年から始めた首脳と閣僚による政府間協議について、2回目の会合を来年にもドイツで開く方向で調整を進めることを確認しました。
岸田総理大臣はこれで、NATOの首脳会議に出席するために訪問したアメリカと、ドイツでの一連の日程を終え、13日、帰国の途に就きます。
岸田首相「両国間の連携・協力いっそう強化で一致」
岸田総理大臣は会談の後に行われた共同記者会見で「ロシアによるウクライナ侵略など、国際社会が厳しい挑戦に直面する中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、両国の協力と連携の重要性がますます高まっている。会談ではこうした問題意識のもと、両国間の連携・協力をいっそう強化していくことで一致した」と述べました。
ドイツ ショルツ首相 ACSA発効を歓迎
ドイツのショルツ首相は、岸田総理大臣との共同記者会見で自衛隊とドイツ軍の間で食料や燃料などを相互に提供できるようにするACSA=「物品役務相互提供協定」が12日に発効したことについて「非常に重要なことだ。いままでになく協力の強さを引き上げることになる」と述べ、安全保障分野での関係強化につながるとして歓迎しました。
また、日本のウクライナ支援について「日本は財政面で大きな支援をしていて、感謝と評価に値する。そして、ロシアに対して幅広い制裁を科している。私たちは共にウクライナのそばに立っている」と述べました。
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