孤独・孤立対策推進本部の初会合で発言する岸田首相(19日午前、首相官邸)

政府は19日、孤独・孤立対策推進本部の初会合を首相官邸で開いた。身寄りのない高齢者の身元保証や死後の事務サービスを担う事業者が守るべき項目をまとめた指針案を公表した。判断能力が低下した場合の対応方針などを丁寧に説明し、重要事項説明書の交付が重要だと強調した。

指針案は契約する際に「民法や消費者契約法に定められた民事ルールに従う必要がある」と明記した。事業者には高齢者の判断能力を丁寧に確認した上で契約を結ぶことが必要だと指摘した。

5月中旬まで一般からの意見公募を予定する。岸田文雄首相は「速やかに策定してほしい」と指示した。

身寄りのない高齢者は増加傾向にある。2023年の総務省調査によると、身元保証や生活支援、死後の事務サービスなどを担う事業者のうち重要事項説明書の作成を確認できたのは21%にとどまった。

首相は会合で「孤独・孤立は個人の幸福や心身の健康のみならず、社会機能の存続に関わる問題だ」と述べた。4月1日に施行した孤独・孤立対策推進法に基づく重点計画の策定を関係閣僚に指示した。

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