高齢化社会に対応した社会保障制度を検討する内閣府の有識者検討会は17日、報告書の素案を示した。一定以上の所得がある働く高齢者の厚生年金の受給額を減らす「在職老齢年金制度」について「就労促進の観点から見直しの検討が必要だ」と提言した。
検討会は8月までに報告書をまとめる。政府は報告書をもとに、今後の高齢化対策の中長期指針となる「高齢社会対策大綱」を改定して夏ごろをめどに閣議決定する方針だ。具体的な制度設計や実施の可否は厚生労働省などが検討する。
17日に示した報告書素案に「高齢期も働き続ける者の増加が見込まれ、働き方の多様化に応じた年金制度の見直しが必要だ」と盛った。在職老齢年金制度については「高齢期の就労意欲への影響が指摘されている」と強調した。
在職老齢年金は60歳以上の人が年金を受け取りながら会社員として働く場合、現在は賃金と厚生年金の合計が月50万円を超えると、年金が一部減額される仕組みだ。2025年に予定する政府の次期年金制度改正の論点の一つになっている。
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