岸田文雄首相は17日、旧優生保護法は憲法違反だとして国に賠償を命じた最高裁判決を受け、訴訟の原告を含めた当事者らと首相官邸で面会した。首相は障害者らが旧法の下で不妊手術を強いられたことに関し「政府の責任は極めて重大だ。心から申し訳なく思う」と謝罪。不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」適用の主張を係争中の関連訴訟で撤回すると表明した。

首相は「旧法は個人の尊厳をじゅうりんするあってはならない人権侵害」で、その被害は「痛恨の極みだ」と強調。与野党と連携して新たな補償措置を講じる方針を示し、「可能な限り早急に結論を得る」と語った。係争中の訴訟に関しては除斥期間の主張取り下げを通じて「和解による解決を速やかに目指す」と言明した。

原告らは首相に対し、全被害者の補償や第三者を交えた旧法の検証を求める要求書を手渡した。首相は「しっかり受け止める」と応じた。

強制不妊訴訟の原告らから要求書を受け取る岸田文雄首相(右端)=17日午後、首相官邸

旧優生保護法の最高裁判決を受け、訴訟の原告を含めた当事者らと面会し、謝罪する岸田文雄首相=17日午後、首相官邸

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