大阪府議河内長野市選挙区補選(被選挙数1)が28日に投開票され、大阪維新の会公認の新顔候補が敗れた。同市は吉村洋文代表(大阪府知事)の出身地。6月30日に告示された同市長選でも候補者を擁立できず「不戦敗」となっており、事実上、連敗を喫する形となった。

  • 「国会議員が偉いわけでない」 揺らぐ維新、大阪から吹き出す不信感
  • 自民との距離めぐり混迷の維新 馬場氏と吉村氏の先鋭化する路線対立

 「たくさんの皆様からご支援いただいたにもかかわらず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」。

 維新新顔で前市議の西田善延氏(53)はこう述べ、集まった支援者に頭を下げた。西田氏は選挙戦で「私こそが吉村さんとつながるパイプ役になる」と訴えたが及ばなかった。

 今回の選挙戦は、自民党府議だった西野修平氏が同市長選に立候補したことにともなうもの。諸派新顔で自民党前市議の道端俊彦氏(61)と西田氏の一騎打ちの構図で、道端氏が1万1136票を獲得して初当選し、西田氏は7199票だった。

 道端氏の陣営には告示日の19日、8月の任期満了をもって退任し、次期衆院選に自民党から立候補する島田智明・現市長のほか、無投票で新市長となった西野氏が参加。西野氏は「意思疎通ができる府会議員が選ばれなければ、この町の成長を止めてしまうことになりかねない」と訴え、支持を呼びかけた。

 一方、維新の西田氏の陣営には選挙期間中に大阪維新幹事長の横山英幸・大阪市長、日本維新の会の馬場伸幸代表らが現地入りした。

 地元出身で大阪維新代表の吉村知事は、投開票前日の27日に応援演説に駆けつける予定だったが、新型コロナの感染が判明。急きょ出席予定だった街頭演説会に電話でつなぎ、「西田さんを頼むとぜひ広めてもらえたら」と呼びかける一幕もあった。

 府議補選の敗戦を受け、地元選出で日本維新の会の浦野靖人衆院議員は「河内長野の見えない壁を乗り越えることがまたできなかった。我々の力不足だ」と語った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。