鬼木誠防衛副大臣(自民、衆院福岡2区)が地元の児童らが集まるイベントで、防衛省・自衛隊から提供された南極の氷を配っていたことが30日、わかった。公職選挙法は、現職議員が選挙区内の居住者に金銭や物品などを寄付することを禁止している。鬼木氏は取材に「違法という認識はなかった」と説明した。

 同日付の「しんぶん赤旗」が報じ、鬼木氏が朝日新聞の取材に応じた。

 鬼木氏は21日、地元の福岡市内の公民館で開かれた「南極の氷体験会」に参加。同市内の小学校に通う児童やその保護者約40人が集まる中で、海上自衛隊の砕氷船「しらせ」が採取した南極の氷を持参し、砕いてコップに入れて配布したという。

 鬼木氏は取材に「地球の環境や歴史に思いをはせて欲しかった。自衛隊の任務を紹介し、理解を深めて欲しいという思いもあった」と話した。イベントで「防衛副大臣」と名乗ったものの、選挙の話題や、自衛隊への勧誘はしなかったという。「もし公選法に抵触するなら、もうしない」とも語った。(里見稔)

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