自民党の広瀬めぐみ参院議員が30日、勤務実態のない公設秘書の給与を国からだまし取った疑いで東京地検特捜部の強制捜査を受けた。派閥裏金事件から続く「政治とカネ」の問題は政権に痛手となる。広瀬議員は離党したが、野党は議員辞職を要求している。

自民は30日、広瀬議員から提出された離党届を受理。茂木敏充幹事長はコメントを出し、「今回のような事態に至ったことは極めて遺憾だ。説明責任を果たしてもらいたい」と表明した。

同党では18日に堀井学衆院議員(離党)が特捜部の強制捜査を受けたばかり。裏金事件による政治不信も解消されていない。閣僚経験者は「『また自民か』と言われる」と嘆き、党関係者は「早く落ち着かせたいのに最悪、最低だ。信頼回復は簡単ではない」と漏らした。

これに対し、立憲民主党の泉健太代表は党会合で「(容疑が事実なら)議員辞職に値する。自民の体質そのものの不祥事が続いているからこそ、政権交代をしなければならない」と強調。共産党の小池晃書記局長は記者会見で「税金を詐取していたことになる」と辞職を迫り、「真相解明に責任を果たすべきだと岸田文雄首相に求めたい」と訴えた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で、「いいかげんにしてほしい。短期間に強制捜査が続くのはゆゆしき事態だ」と批判。教育無償化を実現する会の前原誠司代表は会見で、「あきれを通り越して同じ議員として恥ずかしい」と語った。

広瀬めぐみ参院議員

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