AI制度研究会などの合同会議で発言する岸田首相(2日、首相官邸)

政府は2日、人工知能(AI)の法規制を議論する「AI制度研究会」の初会合を首相官邸で開いた。岸田文雄首相は「リスクの大きさに応じて対策を講じ、AIの安全性を確保する必要がある」と発言した。

首相は議論の基本原則として①リスク対応とイノベーション促進の両立②柔軟な制度設計③国際的な相互運用性④政府の適切なAIの調達と利用――を示した。

大量に学習したデータをもとに、様々なコンテンツを作成できる生成AIの急速な普及を受け、各国・地域で規制やルールづくりの動きが進んでいる。欧州連合(EU)は2024年5月に世界初の包括的なAI規制法を成立させた。

AI制度研究会は政府の「AI戦略会議」の下に設けた。いずれも松尾豊東大院教授が座長を務める。

日本では、経済産業省と総務省が4月に発表した「AI事業者向けガイドライン」など、法的に拘束しない形で対処してきた。今回の法整備が実現すれば、AIを対象とした国内初の法規制となる。早ければ25年の通常国会にも関連法案を提出する。

首相は2日、国際的なルール作りへの貢献にふれ「日本がどのような制度をつくりあげるか世界が注目している」と強調した。23年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で日本が提唱した「広島AIプロセス」には50カ国以上が賛同している。

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