9月の自民党総裁選への出馬意向を事実上表明した石破茂元幹事長は7日、政治姿勢や政策をまとめた新著「保守政治家 わが政策、わが天命」を出版した。政治改革の一環として政治家の世襲制限を提唱。安倍政権下で発足した内閣人事局に関し、政治主導が「行き過ぎたきらいがある」と運用見直しに言及した。
石破氏は同日、記者団の取材に「総裁選で投票先を選ぶ判断材料になる」と述べた。出馬する際は公約の土台にする考えを示した。
新著では世襲制限を取り上げ、3親等以内など近い親族と同じ選挙、同じ選挙区からの出馬を一定期間制限する案を明記した。引退した議員の政治団体と政治資金を親族が引き継ぐ場合には「一定の規制を設けることも考えられる」と話した。
内閣人事局について「人事の判断基準をできるだけ明確にすべきだ」と主張した。中央府省庁の幹部人事を一元的に管理する目的で創設された一方で、政権の意に沿わない人材が冷遇される事例が指摘されていた。
安全保障分野では、米国が対日防衛義務を、日本が基地提供義務を負う日米安保条約の「非対称性」を疑問視。対等になるため米領グアムに自衛隊を訓練目的で駐留させれば「米国にとって大きなメリットが生まれる」との持論を披露した。
自民離党歴のある自身が首相に就任することがあるとすれば「自民党や日本が大きく行き詰まった時ではないか」と自虐的な一面もにじませた。〔共同〕
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