上川陽子外相は8日の記者会見で、長崎市が9日の平和祈念式典にイスラエルを招待しなかったのに関し、市に「国際情勢を含め説明してきた」と語った。日本を除く主要7カ国(G7)各国の駐日大使らも出席しない意向を示したのを受け「G7に亀裂が生じる懸念には及ばない」と述べた。
長崎市はパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルの不招待を決めた。日本を除くG7各国と欧州連合(EU)は7月19日付けで、イスラエルが招待されないことへの懸念を表明する書簡を市に送付していた。
上川氏は「式典に誰を招待するかは主催者の長崎市で判断されることだ」と答え、外務省は関与していないと説明した。中東情勢を巡りG7各国と緊密に連携し、共同して対応していると言明した。
日本の中東外交はかねてイスラエル寄りの米欧とは一線を画し、イスラエルとアラブ諸国の双方に配慮してバランスを重視してきた。イスラエルとパレスチナそれぞれが国家として共存する「2国家解決」を支持する。
外務省幹部は「国主催の式典ならイスラエルを招待しないなどということはしない。国が市の判断を覆すことはできない」と話した。
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