岸田文雄首相は9日、長崎市で開かれた「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に出席した後、記者会見した。日本を除く先進7カ国(G7)の駐日大使が式典を欠席したことについて「市主催の行事だ。政府としてコメントする立場にない」と述べるにとどめた。
首相は「平素から各国外交団、長崎市側と国際情勢についての情報提供などやりとりは行っている。それ以上の詳細は控えたい」と語った。
来年3月に開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議への日本のオブザーバー参加には否定的な考えを重ねて示した。首相は「核兵器国を巻き込みながら、核実験や核兵器用物質生産の禁止といった取り組みを前進させることが重要だ」と主張。核保有国も参加する核拡散防止条約(NPT)の体制を維持・強化する重要性を訴えた。
9月に予定される自民党総裁選に出馬するかどうかに関しては「先送りできない課題に一つ一つ取り組み、結果を出していくことに全力を挙げて専念している」と強調。「それ以上のことについて言うことは控える」と従来の説明を繰り返し、明言を避けた。
記者会見する岸田文雄首相=9日午後、長崎市
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