9月の自民党総裁選を巡り、小林鷹之前経済安全保障担当相(49)は19日に記者会見し、立候補を表明する方針を固めた。今回の総裁選で初の正式表明となる見通し。河野太郎デジタル相(61)も出馬の意向を固めた。それぞれの陣営関係者が17日明らかにした。

岸田文雄首相の不出馬や派閥解消方針を受け、立候補を目指すハードルは低くなっており、候補者として10人超の名前が挙がる異例の状況となっている。

小林氏は17日、新潟県燕市で講演し、派閥裏金事件を踏まえ「新しい党に生まれ変わるように党改革を仲間と進めたい」と強調。総裁選への対応について記者団に「同僚議員の声を受け止めて自分で判断したい」と語った。この後、新潟市で北朝鮮が横田めぐみさんを拉致した現場を視察し、被害者の帰国に「政治家として全力を尽くす」と述べた。

小林氏は「刷新感」を求める派閥横断の中堅・若手を中心に支援を受ける。19日の会見では党改革に加え、憲法改正や経済安保の強化、経済再生に力を入れる考えを説明する見通しだ。

一方、河野氏は16日、所属する麻生派の麻生太郎会長(副総裁)と会談。改めて出馬したい考えを伝え、麻生氏は「しっかり準備しなさい」と容認した。推薦人20人の確保はめどが立ったという。

上川陽子外相(71)は17日、首相公邸で所属する岸田派の会長だった首相と面会。X(旧ツイッター)に「私の決意をお伝えした」と書き込んだ。党所属議員に電話で支援を呼び掛けた。

自民は20日の総裁選挙管理委員会で総裁選の日程を決める。「9月5日告示、20日投開票」と「12日告示、27日投開票」の2案があり、国連総会や臨時国会の日程を考慮して最終判断する。

講演する小林鷹之前経済安全保障担当相=17日、新潟県燕市

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