◆「人間中心の経済」を掲げる枝野氏
立憲民主党代表選への出馬を表明する記者会見で、政策の主題を見せる枝野前代表=21日、東京・永田町の衆院第1議員会館で(坂本亜由理撮影)
枝野氏は会見で自民党派閥の裏金事件を踏まえ「国民は新しい政治の選択肢を求めている。自民に代わる新たな国民政党を目指す」と政権交代への意欲を語り、政策骨子を発表した。 骨子では「人間中心の経済」を目指すとし、最低賃金の引き上げや同性婚の法制化などを掲げた。所得税などの累進性を強化すると訴えた一方、消費税減税には踏み込まなかった。原発政策は「原子力エネルギーに依存しない社会を目指す」と言及したが、党綱領に掲げた「原発ゼロ」に触れなかった。 焦点となっている共産党など他の野党との連携については「全国一律ではなく地域ごとの連携をつくる」としたが、具体的な連携のあり方は明言しなかった。◆「政権運営の失敗を繰り返さないために経験値ほど必要なものはない」
代表選は泉健太代表(50)が再選に意欲を示しており、21日には記者団に「党改革を加速させていくとの思いは仲間たちに伝えていく」と話した。また、野田佳彦元首相(67)や馬淵澄夫元国土交通相(63)、江田憲司元代表代行(68)の出馬を求める動きがあり、各議員とも「熟慮したい」(野田氏)などと含みを持たせる。記者会見で立憲民主党代表選への出馬を表明する枝野前代表=21日、東京・永田町の衆院第1議員会館で(坂本亜由理撮影)
今のところ、ベテラン中心の顔触れだが、9月27日投開票の自民総裁選では40代の議員や女性議員も立候補に意欲を示す。立民内からは「若手や女性の候補者が必要」(閣僚経験者)との声が漏れる。枝野氏は21日の会見で世代交代について問われ「民主党政権の失敗は経験不足に尽きる。失敗を繰り返さないために政権運営の経験値ほど必要なものはない」と訴えた。 立民内では時期が近接する自民総裁選に埋没する危機感もある。立民の岡田克也幹事長は20日の会見で「(自民の)報道がずいぶん多いなと感じる。(二つの党首選は)首相を選ぶ選挙の前哨戦。公平に報道してほしい」と不満をあらわにした。野田氏も18日のテレビ番組で「自民にできないような改革を党内で競い、違いを見せつけるべきだ」と話している。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。