日本経済新聞社とテレビ東京の21、22日の緊急世論調査によると、「次の自民党総裁にふさわしい人」として小泉進次郎元環境相が23%で首位に立った。特に国民的な人気や安定感があることが高い評価の背景になった。総裁選で議論してほしい政策は「物価対策」が最多の37%にのぼった。
調査は「どんな人に次の総裁を務めてほしいか」を複数回答で質問した。8つの項目のうち「国民への説明能力がある」と答えた人が45%で最も多かった。「指導力がある」(38%)、「国際感覚がある」(36%)が続いた。
8項目を挙げた層ごとに、総裁選への出馬が取り沙汰される11人から誰を「次の自民党総裁にふさわしい人」に選んだかを分析した。
8項目のうち5項目で、小泉氏を次期総裁に期待する人の割合が最も高くなった。特に「国民的人気がある」と答えた層の36%、「安定感がある」を挙げた層の30%が小泉氏を選んだ。
「ふさわしい人」の2位になった石破茂元幹事長は「国民への説明能力がある」(22%)、「清潔である」(20%)を挙げた層のなかでトップを取った。3位の高市早苗経済安全保障相は「政策に理解がある」(19%)でリードした。
すでに出馬表明した小林鷹之前経済安保相は「ふさわしい人」で4位となった。前回の7月調査から7ポイント上昇の8%と躍進した。小林氏は党内で刷新感を求める若手議員から支援を受ける。項目別でみると「清潔である」を選んだ層で小泉、石破両氏に次ぐ13%を集めた。
総裁選は9月12日告示ー27日投開票で、選挙期間は現行規程となった1995年以降で最長となる。討論会の開催回数を増やすなどして候補者同士の政策論争を活発にする狙いだ。
議論してほしい政策について複数回答で聞いたところ「物価対策」(37%)がトップで、「経済全般」(35%)、「年金」(33%)が続いた。
物価対策を求めた層に限ると、小泉氏が「ふさわしい人」の25%で最多の割合だった。「政治とカネ」を重視する人でも小泉氏は22%と、石破氏(21%)とともに支持を得た。
「憲法改正」の議論を望む層は高市氏が30%で、ほかの10人に差をつけた。
岸田文雄首相は14日の記者会見で「新生・自民党を国民の前にしっかり示すことが必要だ。自民党が変わることを示す最初の一歩は私が身を引くことだ」と述べた。
総裁の交代が党の信頼回復につながるか聞いたところ「つながると思う」と答えたのは29%にとどまった。「つながらないと思う」と答えたのは58%と上回った。
新総裁は事実上、次の首相となる。早期の衆院解散・総選挙に踏み切る可能性も指摘される。
衆院解散の時期についてたずねたところ最も多かったのは「今年の秋までに」で28%だった。「今年の年末までに」を含めると45%が2024年内の解散を求めた。「解散を急ぐ必要はない」も28%を占めた。
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