自民党総裁選に名乗りを上げた小林鷹之前経済安全保障相が代表の党千葉県第2選挙区支部が、2021年衆院選時に小林氏へ無償提供した事務所費28万円について、政治資金収支報告書に記載していなかったことが23日、分かった。実際の資金の動きはないが、政治資金規正法は政治団体の収支全てを公開する趣旨から、賃料相当額の記載を義務付けている。
総裁選を巡っては、岸田文雄首相が派閥裏金事件の責任を取り不出馬を表明。「政治とカネ」の論戦が期待される中で、ずさんな記載が明らかになった形だ。
小林氏の事務所は「当時の経理担当者が退職しており、記載漏れの理由は確認できていない。記載について適切に対応する」と話している。小林氏は「選挙管理委員会と話して訂正することになる」と金沢市で記者団に語った。
小林氏の選挙運動費用収支報告書によると、小林氏は第2選挙区支部から21年10月5日に28万円相当の事務所の無償提供を受けた。選挙区支部側は政治資金収支報告書に記載していなかった。
また、第2選挙区支部の政治資金収支報告書によると、21年に都内の2つの政治団体から10万円ずつの寄付を受けた。政治団体側は団体の収支報告書に、いずれも陣中見舞いとして、寄付の日付を9月10日と10月15日と記載。第2選挙区支部側は、いずれも11月10日と記載する齟齬(そご)があった。
小林氏の事務所担当者は、2団体から寄付金を預かって「預かり証」を発行した後、11月10日に受領し改めて領収書を発行したと説明。寄付をした2団体側は預かり証の日付を記載していたとして、領収書の日付に訂正するとした。〔共同〕
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