中国を訪問している自民党の二階俊博元幹事長は28日、北京の人民大会堂で中国共産党序列3位の趙楽際(チャオローチー)・全国人民代表大会常務委員長と会談した。二階氏は中国軍機による領空侵犯について遺憾の意を表明し、再発防止を求めた。

 これに対し趙氏は、「日本の領空を侵犯する意図はない。当局間で適切に意思疎通がなされることを期待する」と述べたという。同行筋によると、その他の具体的な説明はなく、依然中国側の真意は不明だ。

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 会談では日中間で懸案になっている日本人のビザ免除再開や日本産水産物の禁輸撤廃についても要望。趙氏は、ビザ免除再開について「各界からの要望は留意し、重視している」と応じた。二階氏周辺からは「言い方が変わってきている」として、前進したとの受け止めもある。

 日中間ではコロナ禍以降停滞していた政党間交流が活発化しつつあり、二階氏が会長を務める超党派の「日中友好議員連盟」の訪中団も27日から北京を訪れている。同議連は日中間の課題について政府同士の議論を後押しする狙いがある。ただ、自民党総裁選を控えるなか、中国側には解決に向けて積極的に動く機運は乏しい。(北京=井上亮)

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